内容説明
お側御用取次・田沼意次のもとには、役職を得るための賄賂を持った大名旗本が毎日のようにやって来る。だが、金で役目を買うような輩は愚か者ばかり。しかも役職の席には限りがある。頭を抱える田沼に両替商分銅屋仁左衛門はある策を授けるが、その帰り道には、左馬介相手に「切れ者の田沼も所詮は武家者、金の遣い方には疎い」と嘆いてみせる。そんな折、分銅屋になじみの研ぎ師がやって来る。番頭がさりげなく話を聞くと、近頃は藩士から錆びた刀の研ぎの依頼が多いのだと言い……。大人気シリーズ、第十二作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
83
江戸の両替商の大店分銅屋仁左衛門の用心棒・諫山左馬介の活躍の物語です。甲州流軍扇術の遣い手の左馬介は、親の代からの浪人で日々食べていくのがやっとであったが、仁左衛門に仕事ぶりを認められて月極めの用心棒として雇われています。此度、会津松平家は、資金繰りに屈して分銅屋から金を借りようとして画策するが相手にされない。そんな時に、幕府老中が会津松平家を徳川一門から外すことを企てている事が窺われ…。 🌿続く→2021/12/30
とし
78
日雇い浪人生活録「金の穽」12巻。両替商分銅屋の用心棒、諌山左馬助しっかりと板に付いて、日雇いでなく仁左衛門専属の用心棒ですね。今回は少し活躍の場面が少なかったようですが次巻の活躍に期待です。 2022/03/28
mm
18
旗本であれ藩士であれ、戦争がない世の中で大した給料も貰えず生きていくとしたら、そこは体面を保つとか、先祖の威光を大切にするとかに価値観が傾いていくのも致し方ないことなのか。。農民とも町民とも価値観がかけ離れていくのも致し方ないことなのか。。江戸と地方は別世界。分断の多い時代でしたね。幕府の瓦解を扱う小説「生麦事件」を読んだ後なので、幕府というこの大きな建物が、あちこちで痛み始めて、少々の修繕では立ち行かなくなる過程は興味深い。瓦解が運命つけられている過程では、みんな瓦解に一役買ってしまうのだねえ。。2022/04/23
蕭白
12
読み終えたばかりだけど、続きが気になります。2021/11/23
わたしは元気
6
面白い。サクサク読めます。2021/12/27