内容説明
日本橋小伝馬町の牢から出された一人の男。名は夏目影二郎という。罪を犯し遠島となる直前、牢から出された影二郎を待ち受けていたのは、腐敗した八州廻りの大掃除という役目だった。大薙刀を鍛え直した名刀「法城寺佐常」と南蛮外衣で関八州に巣くう者どもに立ち向かう。佐伯泰英の原点の一つともいえるシリーズ第一作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
95
佐伯さんの「酔いどれ」シリーズを読んでいるのに、別のシリーズを読み始めてしまいました。一旦は遠島になりかけた主人公が、幕府の言うことを聞かない腐敗した八州廻りを懲らしめに…。この話には実在の国定忠治、二宮尊徳、藤田東湖、江川太郎左衛門などの有名人も登場します。このシリーズの方が、ハードボイルド的な感じがします。2018/01/22
海猫
55
長編小説の体裁だがどちらかというと連作短編集に近い味わい。詰め込みすぎなのと各エピソードの繋ぎが悪いのでなんだかギクシャクした印象を受ける。もう少し行間を読む余地があればかなり違うと思うのだが。この時点では著者にシリーズ化する意識がなかったため詰められるだけ詰め込んでしまったというところか。だからシリーズ第1巻というよりパイロット版と見るべきかもしれない。今時珍しい股旅時代劇だし設定を膨らましていけばさらに面白そうだとは思うので続きも読んでいきたい。2014/10/09
かいちゃん
34
佐伯泰英は初めてですが、なかなか面白かったわ。読み終わってから表紙をあらためて見て「かっこいいわ」って思ったわ。2020/10/07
Syo
15
これまた 面白い2025/02/25
Kira
11
図書館本。南蛮のマントをまとい、大薙刀を鍛え直した身幅の広い大刀佐常を腰に差した剣客夏目影二郎が、隠密の旅をしながら活躍するシリーズ第一弾。勘定奉行常磐秀信の妾腹に生まれた影二郎は父に楯突いて無頼の徒となり、十手持ちを殺して遠島になるところを、秀信の隠密として関八州における六人の八州廻りと国定忠治の関わりを探るよう命じられる。冒頭から物語の展開が早くて引き込まれた。捨てられて死にかけていた子犬のあかを拾って、懐で暖めてやる影二郎の優しさに魅かれた。 2019/01/13