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内容説明
ヴァイキング達が跋扈する11世紀北欧を舞台にトルフィンが本当の戦士を目指す物語。父親の仇を討つために過ごした幼少期、奴隷として農場で過ごした青年期を経てトルフィンはヴィンランドへの渡航を本格的に模索するようになる。北海最強の武力集団・ヨーム戦士団の居城・ヨムスボルグを中心にバルト海が戦火に包まれたヨーム継承戦争にまきこまれたトルフィンだが、辛くも戦争を生き抜いた。東ローマ帝国への交易で莫大な資金を調達したトルフィン達一行はアイスランドに帰郷。故郷のアイスランドで結婚式を挙げたトルフィンとグズリーズはヴィンランド移住計画の賛同者を募る。そしてついに約束の地・ヴィンランドへと出港した! まずは、レイフの故郷・グリーンランドでさらなる移住希望者を募り、補給を完了。ヨーロッパの最西端から世界の果てを目指して海を越える!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムッネニーク
63
65冊目『ヴィンランド・サガ 25』(幸村誠 著、2021年7月、講談社) 遂にヴィンランドへの航海が始まる。連載当初は本当にここまで来られるのか心配だったが、杞憂に終わって一安心。 まるで最終巻のような表紙だが、まだ終わらない。次巻からまた物語が大きく動き出しそうな予感。 「うん とてもやさしい人だった」2021/07/27
眠る山猫屋
58
とうとうヴィンランドへの航路が。長いようで短い旅だったなぁ。冒頭のレイフおっちゃんとの惜別、一瞬おっちゃんだと気づかなかった。時の流れは無情、だがヒルドの心を融かしつつあるのも赤ちゃんだった彼の成長。時は流れている。トルフィンの父たちの幻影にはちょっとウルッときた。後半はヴィンランド(というか、後のプリンスエドワード島!)でのネイティブさんたちとの交流の始まり。忘れがちだけど、トルフィンたちは自由な農地を求める開拓者だった。現住者たちとの軋轢は必至。さてさて・・・。2021/07/23
Die-Go
52
血潮飛び散るバイキングの時代に、平和の地ヴインランドを目指す、トルフィン一行。今回は平和な感じだったが、終盤に不穏な空気が流れる。★★★★☆2021/08/05
こら
48
ヴィンランドに到達したトルフィン一行。気付けば、トルフィンの面立ちが澄んだ優しいものになっている。生死を見詰め続けてきた者の眼。そして、先住民との邂逅が遂に始まる。物語も佳境です。史実を知っている読者に、これからどんな展開を見せてくれるのか、不安でもあり、期待でもある。2021/07/27
ぐうぐう
36
「ここではないどこかへ」ついにトルフィン一行は、ヴィンランドに到着する。だがそれは、ゴールではなく、始まりに過ぎない。戦争も奴隷もない世界、その土地が見つかっただけなのだ。「「戦争が好き」っていうのは……男にかけられた呪いみたいなもんだな……心にくすぶってなかなか消えない呪いの埋み火だ」理想郷の実現には、まず内なる心の改革が必要なのだ。そしてその改革は鏡となり、先住民の心を映すはずだ。2021/11/21