講談社学術文庫<br> 中国の歴史2 都市国家から中華へ 殷周 春秋戦国

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講談社学術文庫
中国の歴史2 都市国家から中華へ 殷周 春秋戦国

  • 著者名:平勢隆郎【著】
  • 価格 ¥1,705(本体¥1,550)
  • 講談社(2020/10発売)
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  • ISBN:9784065212622

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内容説明

講談社創業100周年企画「中国の歴史・全12巻」の学術文庫版がいよいよスタート。本全集は、2014年には中国で、2016年からは台湾で翻訳出版され、累計で150万部を超えるベストセラーになっている。
第1巻と同時発売の第2巻では、夏・殷・周の三代の王朝と、春秋戦国時代を扱う。司馬遷の『史記』などに語られる歴史は、すべてが確かな「事実」なのだろうか。後代の建て前や常識に縛られ、架空の「事実」を盛り込まれた史書や注釈書の中から、ほんとうの「事実」を探り出す道筋を示す。夏殷周三代の王朝や、戦国時代の領域国家は、新石器時代以来の文化地域を母体として成立しており、いまだ『史記』で語られるような「天下」を成してはいなかったのである。
紀元前1023年、大国・殷を滅ぼした周は、青銅器に文字を鋳込む技術を殷から継承し、独占してそれを権威とした。しかし、その周も前8世紀には東西に分裂してやがて滅ぶ。つづく春秋時代も、それまでと同じく文化地域ごとに大国が小国を率いた時代だったが、漢字が周以外の大国の地域にも根づいていく。そして、大国が小国を滅ぼして官僚を派遣し、中央と地方を結ぶ文書行政が開始され、それを支える律令が整備されたのが、戦国時代だった。〔原本:2005年、講談社刊〕

目次

はじめに 文化地域が歴史的にもっている性格
第一章 本書が扱う時代
第二章 周王朝の史実
第三章 「華夏」の源流と夏殷周三代
第四章 戦国諸国それぞれが語る夏殷周三代
第五章 夏王朝・殷王朝の史実
第六章 春秋時代の史実
第七章 戦国時代の史実
第八章 戦国時代の学術
第九章 戦国時代を変革した人々
第一〇章 新たに比較検討される春秋時代像、そして夏殷周三代像
学術文庫版のあとがき
主要人物略伝
歴史キーワード解説
参考文献
年表
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

66
12巻シリーズの2巻目 漢字に先行する、別系統の文字、に思わず興奮(丁公陶片の刻文) 最後の比較検討はちょっと読みずらく。 マジカルステップうほの説明はP205 (これが太極拳の元とか書いてある本もある) 陰陽五行も戦国時代から2024/01/12

へくとぱすかる

59
何とか読み終わったが、分厚さだけではなく、関係する国・地域の数も多く、相互の関係をつかむのが大変難しかった印象。言いかえれば本書が対象とする時代の歴史が、そこまで詳細に議論できるだけ明らかになってきたということだろう。私たちが何となく抱いている、孔子や夏・殷などの国のイメージが、まるで違って見えるし、古代の漢字は使用範囲がさほど広くなく、秦の文字統一も実態はあっけない。しかしその方がたしかに現実的だ。古代に後世の形を投影してしまうと、イメージを誤ってしまうというのは教訓。竹簡などの出土資料にも期待したい。2020/10/17

さとうしん

17
著者の世界観を受け入れないと引用が難しいという点で汎用性に乏しい概説。本シリーズに求められているのは、どちらかと言うと本書に書かれていることを理解するうえでの前提となる知識ではないだろうか。巻末の文庫版のあとがきも、最新の研究成果一般の紹介というよりは、著者の近年の研究成果の紹介である。これも『繋年』や『楚居』がどういう文献なのかという説明がまず必要なのではないかと思うが…2020/10/14

崩紫サロメ

14
(単行本版感想)本書が扱う殷周・春秋戦国時代について、多くの人は『史記』など漢代以降の歴史叙述を通して知っており、多くの概説書もそうである。それに対して本書は『竹書紀年』など戦国時代の年代記を紐解いている。しかし、そちらに「真実」が書かれているということではなく、『史記』とは異なる事情により様々なバイヤスがかけられ、レッテルが貼られていることを丁寧に明らかにしている。国別の孔子評価の比較、斉の田氏による姜氏時代の斉への貶め方など、なるほどー。2023/10/18

Tomoichi

14
息子の始皇帝好きに影響され、中国史のお勉強。期待していた内容ではなかったけれど、出土資料によって過去の「史記」の呪縛から研究が解き放されてきていることは理解できた。こういう研究者の本を読んでまた宮城谷昌光の世界を楽しみたくなりました。2021/11/06

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