講談社学術文庫<br> 中国の歴史9 海と帝国 明清時代

個数:1
紙書籍版価格
¥2,420
  • 電子書籍
  • Reader

講談社学術文庫
中国の歴史9 海と帝国 明清時代

  • 著者名:上田信【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 講談社(2021/03発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065227770

ファイル: /

内容説明

学術文庫版「中国の歴史・全12巻」の第6回配本・第9巻は、明朝と清朝、ふたつの大帝国を1冊で通観する。出口治明氏(立命館アジア太平洋大学学長)が「名著ぞろいのシリーズの中で、まさに名著中の名著。内藤湖南に匹敵するのでは」とイチオシする話題作。
2003年3月、雲南省昆明の空港で、著者は不思議な一行に出会う。聞けば彼らは、台湾の港町・花蓮から、海の女神「媽祖」を奉じて、雲南省の麗江を訪ねた帰路だという。台湾の海の女神が、なぜ中国内陸の観光地を?――この謎から、海に囲まれた東ユーラシア500年の歴史が浮かび上がってくる。
14世紀半ば、朱元璋が開いた明朝は、万里の長城の修築や、鄭和の南海遠征など、古代的な性格の色濃い王朝だった。それに対し、16世紀に登場したヌルハチに始まる清朝は、少数の満洲族のもとでさまざまな人々が闊達に生き、近代的な活気に満ちていた。古代的な明代から、近代的な清代への跳躍はなぜ可能だったのか。それを解明するには、「海に向かい合う中国」を見ることで、従来の中国史の枠を超える必要がある。倭寇と朝貢、銀の流通と世界経済、清朝皇帝とチベット仏教。地球規模の視点から、ふたつの帝国を描き出す。そして19世紀、アヘン戦争や太平天国を経験し、中国社会は近代への脱皮に備えて大きく変化していく。〔原本:2005年8月、講談社刊〕

目次
はじめに 大海に囲まれた二つの帝国
第一章 出来事の時空間
第二章 明朝の成立―一四世紀1
第三章 海と陸の相克―一四世紀2
第四章 海と陸の交易者―一五世紀
第五章 商業の時代―一六世紀1
第六章 社会秩序の変容―一六世紀2
第七章 王朝の交替―一七世紀
第八章 産業の時代―一八世紀1
第九章 伝統中国の完成―一八世紀2
第一〇章 環球のなかの中国―一九世紀
おわりに 媽祖と明清の歴史

主要人物略伝
歴史キーワード解説
参考文献
年表
索引

目次

目次
はじめに 大海に囲まれた二つの帝国
第一章 出来事の時空間
第二章 明朝の成立―一四世紀1
第三章 海と陸の相克―一四世紀2
第四章 海と陸の交易者―一五世紀
第五章 商業の時代―一六世紀1
第六章 社会秩序の変容―一六世紀2
第七章 王朝の交替―一七世紀
第八章 産業の時代―一八世紀1
第九章 伝統中国の完成―一八世紀2
第一〇章 環球のなかの中国―一九世紀
おわりに 媽祖と明清の歴史
主要人物略伝
歴史キーワード解説
参考文献
年表
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

129
面白かった。 わかりやすい。世界史の授業でチラ見した、明の税制、とかが見てきたようにわかる。鄭成功や海賊の活躍など、元々面白い部分ではある。12冊シリーズの9。今年中に全部読めるかなあ?2024/12/07

Tomoichi

22
経済という視点で明・清時代を見ると、こんなに面白いのかと思ってしまう。しかし明王朝って清に比べるとずっとドタバタな感じでもう支那文明の限界が見えてくる。その点、清は少数の満州族が治めたので古代的な支那から脱却し、それが大幅な人口増にも繋がる。しかし歴史とは皮肉で、それが清末から辛亥革命・中華人民共和国成立・現代までの混乱の要因にもなっている。清は支那文明の最後の輝きの時代だったのかもね。2022/11/26

さとうしん

19
グローバルヒストリーの手法でとらえる明清史。朝貢、互市、日本との関係など海上交易だけでなく、時代区分の問題など、話題は多岐にわたる。個別の話題では、『三宝太監西洋記』が意外に参照に足る海外の情報が盛り込まれているという史料的評価、張保など19世紀の南シナ海の海賊が明代の倭寇とは異なり、歴史的な役割を果たせなかったという話が面白い。最後のマルクスと「ミッチェル報告書」の話も見事。2021/03/18

coolflat

18
47頁。元朝はウイグル商人やムスリム商人が運営していた銀を価値の基準とする経済システムによって支えられていた。この帝国はもっぱら商業活動から税金を徴収し土地税には依存しなかった。商業税は銀で徴収され中央政府のもとに集められた銀は元朝からユーラシアの各地に展開したモンゴル帝国内の領主や貴族に贈られた。元朝がモンゴル帝国の盟主として認められるために、こうした贈り物が必要だったからである。帝国各地に分配された銀はムスリム商人やウイグル商人が運営する商社に投資され、絹織物や陶磁器などを購入するために用いられた。2025/01/01

ジュン

15
同シリーズの中国史のなかで一番の作品どころか、ここ数年で最も面白い「世界史」だ。ウォーラーステインの「近代世界システム」を明清時代に合わせると視えるものがある。かといって伝統中国史から逸脱せず、しかもオーラルな官僚や民衆の声を多く引用する。異色だが出色の作品、本当におススメ。2022/02/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17525664
  • ご注意事項

最近チェックした商品