講談社学術文庫<br> 中国の歴史5 中華の崩壊と拡大 魏晋南北朝

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講談社学術文庫
中国の歴史5 中華の崩壊と拡大 魏晋南北朝

  • 著者名:川本芳昭【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 講談社(2020/12発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065219065

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内容説明

講談社創業100周年企画「中国の歴史・全12巻」の学術文庫版。第3回配本の第5巻は、220年の後漢滅亡から隋の天下統一(589年)にいたる大分裂の時代を取り上げる。
前漢・後漢の400年の大帝国は、後漢末期の混乱の中に崩壊し、魏・蜀・呉が争う三国時代を経て、晋の司馬炎による再統一をみるが、まもなく匈奴・鮮卑・羯・羌など異民族の大侵攻を招いていわゆる「五胡十六国」の大混乱時代に突入する。
華北はやがて鮮卑が建てた北魏が統一し(439年)、東魏、西魏、北斉、北周と興亡を繰り返す。一方、江南には漢民族の王朝である宋に続き、斉、梁、陳と次々に王朝が交替する。胡漢の勢力がたがいにしのぎを削るなかで、華北では雲岡や龍門の壮麗な石窟寺院が営まれ、江南には建康(現在の南京)を中心に陶淵明、顧ガイ之らで名高い六朝文化が栄える。
この魏晋南北朝時代は、日本列島には邪馬台国や倭の五王が登場し、朝鮮半島には高句麗・百済・新羅が興って、東アジアの「世界秩序」が形成された。その中心をなす「中華」も分裂と融合を繰り返し、非漢民族が漢化(中国化)するなかで拡大し、新たな中華世界を形作っていったのである。現代に続く中華意識と民族問題を視野に、東アジア世界の秩序の源流へとさかのぼる一冊。〔原本:2005年2月、講談社刊〕

目次

はじめに
第一章 魏晋南北朝時代の幕開け
第二章 胡漢の抗争
第三章 胡漢の壁を越えて
第四章 江南貴族制社会
第五章 南朝後期の政治と社会
第六章 江南の開発と民族間抗争
第七章 北魏孝文帝の改革
第八章 北朝後期の政治と社会
第九章 古代東アジアと日本の形成
第一〇章 中華世界の拡大と「新」世界秩序
学術文庫版のあとがき
主要人物略伝
歴史キーワード解説
参考文献
年表
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

56
シリーズ5 五胡十六国、国名多すぎて覚えられず。やたら、武帝が多いのも困りますw 均田制はこの時代、北魏にて。 王義之もこの時代、東晋の人なんですね2024/05/11

Tomoichi

27
先日読んだ中公新書の「南北朝時代」は、各王朝の流れを分かり易く説明していたが(それでも複雑)、こちらはより総合的なので合わせて読むのをお勧めします。支那文明は西晋による中華統一を持ってピークなのかな?それ以降は民族的にも混血による新漢族になっていく訳で。いや漢族ってナンジャラホイ?2022/01/29

えとろん

13
三国始末から魏晋南北朝までの歴史が記載されているが、五胡十六国の時代の記述が今までにないくらい充実してて、読み買いがあった(ただし登場人物が無茶苦茶多くてじっくり読まないと何が何だか分からなくなる)。北朝の漢族と胡のまじりあいがよくわかり、この時代以降の社会の変化は著しいと思った。また南朝や北魏についても十分ページがとられており、後の隋唐時代への橋渡しとしての役割を十分果たしている。2025/06/09

chang_ume

13
魏晋南北朝を通観しながら、「漢民族」誕生前夜の社会動向を描く。画期として北魏・孝文帝の諸改革。積極的な漢化政策によって、後の隋唐帝国に至る北朝系譜の「中華帝国」への道筋が拓かれた。また大きな時代背景として、南北朝期における「天」概念の東アジア規模での伝播が挙げられて、そのなかで倭王権の「治天下」も検討される。改めて、この時代は非常にダイナミックな社会変動があったんだなと。一方で南朝による「蛮」掃討は、現代のウイグル問題に通ずるジェノサイドも想起させて、「中華」という文化多元的な概念の暴力性もうかがえた。2021/07/07

さとうしん

13
「民族の時代」としての魏晋南北朝史を描き出す。「漢」に反発していたかに見えた「胡」が「中華」であると自認しはじめ、たとえば五胡から出たはずの北魏が自らを五胡から弁別しようとするといった動きをおこしていく。そして「中華」としての意識は「中国」の外の朝鮮半島諸国や倭国も持つようになっていくということで、古代の日本史も「中華」の歴史の中にうまく取り込んでいる。2020/12/13

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