内容説明
「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」
人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。
なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、
怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。
高槻のもとには、奇妙な事件が次々と持ち込まれ――?
このアパートは、幽霊物件?! 隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音の正体は…。
――「第一章 いないはずの隣人」
ふと気づくと、周りにいつも針が落ちている……。これは呪い?それとも…。
――― 「第二章 針を吐く娘」
肝試しに出かけた少女が消えた。しかし数日後、彼女は帰ってきた。足の裏はきれいなままで…。
――「第三章 神隠しの家」
ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の凸凹コンビが
民俗学の知識を使って、怪奇事件や都市伝説の謎を「解釈」する軽快なミステリ、開講!!!
イラスト/鈴木次郎
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
366
イケメン准教授と都市伝説。ツカミはOK、で読み進められた。民俗学の泰斗、柳田国男の「昔話研究」や折口信夫の「まれびと論」などを紹介しながら物語は綴られる。民俗学の入門書的な様相もあって面白いかな、とも思うがチョット軽すぎな感じ。江戸時代の傑作・百科事典『和漢三才図絵』の凄み、がもっと伝わってきたら、”☆×3”でした。2020/03/16
ひさか
303
2018年11月角川文庫刊。書下ろし。いないはずの隣人、針を吐く娘、神隠しの家、の3つの連作短編。大学生の深町尚哉と高槻彰良准教授の二人が、怪異な事件を調査するお話。興味深い事件設定で、主人公二人の持つ異能力と秘密が楽しい。2019/09/21
三代目 びあだいまおう
282
『謎解き×都市伝説』『面白さ100%保証』と帯に。幼き頃に不思議なお祭りに迷い混んだ事から『嘘』を聞き分けてしまう孤独な主人公①の大学生、深町。主人公②は、その大学で民俗学を教える准教授高槻。この2人の凸凹コンビが、日常の怪異や都市伝説の謎に迫る話。よく『ジェットコースター・ストーリー』と言われる小説があるが、本作はさながら『メリーゴーランド』か?幽霊物件、藁人形の呪い、そして神隠しの三編はどれもライトで謎もストーリーもいたってeasy&simple。キャラ立てもフラット気味で読書入門書にいいかも‼️🙇2020/03/14
ぽんすけ
211
日本独特の土着の怪異と人間が引き起こす事件が絡められた本作。さくさく読めて面白かった。尚哉が10歳の時に体験した死者の盆踊りが一番怖かった。人の嘘が全てわかってしまうってどんだけ苦行なのかと。結果人を遠ざけるようになるのも自分の心を守る上では仕方ないことだと思った。高槻先生もあんなに楽しい人なのにやはり少年時代に神隠しに遭って大怪我しているし、先生の原動力はこの少年時代の体験が何なのか解明することなんだろうな。そんな中で様々な事件に遭遇し、二人のコンビの絆が強くなっていくんだろうな。続きも読みたいと思う。2021/03/04
おざわさき
173
ドラマ視聴からの〜〜原作大人買い!笑 …だってseason2は WOWOW放送のみなんてあんまりよ〜💦 次々読んでるところですが、ドラマでははっきりしなかった謎も徐々に明らかになってきてますます楽しみです!2022/01/17