集英社コバルト文庫<br> 流血女神伝 女神の花嫁(前編)

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集英社コバルト文庫
流血女神伝 女神の花嫁(前編)

  • ISBN:9784086002585

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内容説明

女神の定めにより、ザカールの長老(クナム)の子は代々男児であるはず。だが、999番目の子として生まれたラクリゼはなぜか女だった。“呪われた子”だとして父親の愛も受けられず、男と偽って育てられた彼女は、その苦しさを学問の習得や武術の鍛錬にぶつける。そして彼女が12歳になった年のある夜、一人の少年が結界を破り村を訪れた。少年の名はサルベーン。ラクリゼとの運命の出会いだった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

baboocon

23
流血女神伝の外伝、ラクリゼとサルベーンの過去の話。長老(クナム)の娘として生まれながら男として育てられたラクリゼは、村の外からやってきた少年サルベーンと出会う。女の身ゆえクナムにはなれないラクリゼとルトヴィア人の混血ゆえザカールの民にも差別されるサルベーン。形は違っても深い孤独を胸に秘めた二人。お互いに惹き付け合いのは必然だったのか。それにしてもレイザンは報われないな。物語の核となるザカリア女神を崇めるザカールの話だけに、本編よりも宗教色が強い。価値観や風習とは国によってこんなにも違うのかという驚きも。2012/03/18

まりもん

21
男の子として育てられたラクリゼがルトヴィアから逃げて来たサルベーンの出会い、そして村から逃亡するまでの話。ラクリゼが女ということを隠しての生活とクナムの子という立場が彼女を苦しめていたんだなと実感。そしてサルベーンの闇の深さがどうなっていくのか続きが気になる。2012/08/15

Haru

16
外伝、というよりもう一つの物語。このお話を読まなければ、『帝国の娘』は理解出来ない!ラクリゼとサルベーンの生い立ち、苦悩、二人に課せられた運命の過酷さ。『帝国の娘』ではあまり理解できなかったサルベーンとラクリゼに血肉が通っていく。互いに惹かれあわずにはいられない二人、これからどんな試練が待ち受けているのだろうか。そして、どうしてサルベーンはあんなにも変わってしまうのだろうか。2012/08/16

ゆり

13
ラクリゼとサルベーンの過去の出会いからはじまる物語。ザカールの風習が予想外に異質なもので読んでいて応えました。このアルマさんの身の上を考えるとカリエが今後どうなっちゃうのか恐ろしい。本編では強く凛々しい大人の女性であったラクリゼが悩みあがいている姿が痛々しかった。サルベーンも本編とは全然違った雰囲気で新鮮、でもやっぱり胸が痛い。ラクリゼの父が彼女が思い込んでいるよりは娘や妻を愛していたのが救いでした。大巫女さまも冷たいだけのひとじゃないし。真実を教えられてなおラクリゼの身を案じるレイザンに泣けました。2016/06/04

カモミール

12
流血女神伝外伝前編。ラクリゼとサルべ-ンの子供の頃のお話。この外伝は、のちのち本編の鍵になりそう。子供なのに、ラクリゼの苦悩、サルベ-ンの闇、深いです。2018/11/28

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