内容説明
ヴィクターを狙う殺戮者たちの影。
ガマエの新たなる真相を求めるべく、ガマエ研究者として著名であるゲルハルト・コッホの元を訪れるクリミアとヴィクター。コッホが起ち上げた様々な発明品を開発し続けるコッホ社は、外部からの侵入者を拒絶する奇妙な島にあった。そしてそこには、想像を絶するほどに規則正しい生活を送る、奇妙な従業員たちがいた。
ようやく辿り着いたコッホの居場所。それは厳重に閉ざされた扉の奥であった。
コッホはもう50年もの間、そこに籠っていると言う。
途方に暮れつつも目的を果たすべく島に逗留する二人。そんな二人の前に、ヴィクターを「黙示録の悪魔」と称して付け狙う殺戮者たちが現れる。魔法医師を名乗る彼らだが、彼らの駆使する魔法医術はクリミアですら知らぬものであった。
《鉄鎚》でも無き者たちが、なぜヴィクターを狙うのか?
彼らは、ヴィクターの何を知っているのだろうか?
時の流れが乱れる孤島で、ヴィクターの命を巡って凄惨な死闘が幕を開ける。この戦いの「鍵」となるのは誰なのか。その思考の先に、クリミアは新たなる《妖病》の姿を垣間見る。魔法医学の未来を覗く、第5集。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんけー
17
相変わらず描写の凄まじさは常軌を逸していて?前巻で妊娠が解ったフレデリークさんが臨月で赤ちゃんを産んで...?時計島、今回の舞台であるが一人の天才的発明家の暴走(なのかなぁ?)その企業の社員が犠牲に?加速したり減速したりと、ヴィクターとクリミアは苦戦を強いられて。表紙にも登場してる今回の重要キャラ、トロトゥーラ?鉄槌のメンバーと認識させておいて出生を曖昧にする事で一つの伏線を張ったと。彼女の正体はラストで明かされるが、読者は途中で殆ど気付く筈で?時空間を操る?時計島の中枢部の恐るべきメカニズムが暴露→2017/05/01
ヱロ本Gメン
16
確かにドゥンやガマエはどうした?って感はあるが、そんなのどうでもよくなるくらい面白かった!ドクターモローのいるパノラマ島でダミー・オスカーとピノコが大暴れみたいな滅茶苦茶なストーリー(私感ですwww)。クリミアとヴィクターはひたすら走り回ってるだけみたいな。鉄腕ブローは作者のお気に入りなのかな?次巻以降ナイチンゲール母子やヘルメス含めどういう展開になるのか考えると思わず笑ってしまう。しかし桶谷式乳房管理法が出てくるとは油断していた。時間遡行含めもうラノベっていうより奇書やトンデモ本ジャンル。素晴らしい!2017/04/26
羊山羊
13
最初から最後までポカンと口を開きっぱなしで読む羽目になる本シリーズも別ベクトルでポカンとなる事に。ヴィクターの師、ナイチンゲールのアクが凄い!ガマエ研究者を追うべくコッホの元を訪れるヴィクターとクリミアだが、時を同じくしてナイチンゲールが出産!そして子供が攫われる!コッホの支配する奇妙な島と徐々に狙われ始めるヴィクター、そしてびっくりする謎の美女(表紙)。出産シーンとその後の展開で全てを持っていくナイチンゲールにヒキ笑いしながらも死闘を沢山楽しめる1冊でした。母は強し!しかもメチャクチャ!2021/12/13
HANA
12
今回は発明家である人物が作った会社が舞台。通常が既に普通ではないけれど、病気とされている人も行き過ぎていてなかなか。ちょっと現代風の原因ではあったけれど世界観は壊れることなく展開されていくのが面白い。描写は過激な部分もあるけれど。次も気になるところ。2017/05/22
サケ太
9
なんでもありかぁっ!!!いや、今までだって何でもありだったけどSFさえ絡めてくるとは。拐われたフレデリークの赤子。ヴィクターたちの命を狙う謎の魔法医師たち。時に関連する異常に戸惑う島。驚愕に次ぐ驚愕。変態的な敵キャラと変態的科学戦闘法。このノリが好きで読んでいる。メチャクチャな展開なのにまとまって最終的に面白くなってしまってる……。2018/01/01