内容説明
クリミアのスランプ。魔術を失った彼女は。
古代インスマ文明の発祥の地、インスマ砂漠。
灼熱の地に現れた人魚の死体。それに呼応するように、見たこともない海の夢を見始める砂漠の人々。
スランプ脱出のために、インスマ砂漠に拠点を置く魔法医学史の権威・ハーネマンの元に訪れていたクリミアは、住人たちを治療しようと主張し続けるが、魔術を使用できなくなった彼女に為す術などない。
さらに彼女の隣には、常にあったはずのヴィクターの姿がない。
そこに、人魚の噂を聞きつけた、悪名高き解剖医ヴァネッサ・キャスパーが訪れる。再会する二人。深まる人魚の謎。
片や結社の病院に一人残されたヴィクターは、クリミアを求めて旅に出る。
インスマ砂漠を取り巻く謎を追うクリミアとヴァネッサ。
ドゥンに冒されながらも旅を続けるヴィクター。それを支えるイングリド。
そんな彼らの影で、ついにラー聖教が擁する最強の〈鉄鎚〉ラ・ピュセルが動き出す。
黙示録の悪魔を殺すために存在する彼女の存在は、クリミアとヴィクターの旅、そして二人の関係にどのような危機をもたらすのだろうか。
魔法医師の結社と教会の意外な関係。
そしてヴィクターが罹患した妖病が、世界にもたらす影響とは。
魔法医学史の根底を覆す、第4集。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんけー
15
面白いが?何か今回はホントに色んなジャンルを詰め込んで(^_^;)最初はウニだかナマコに擬態していく?男女の話しから、何故かクリミアが魔術(マジー)を使えなく成ってヴィクターと離れ離れに..?この作品の特徴であるストレートな生理的嫌悪感描写は健在で♪カルトな宗教と医療哲学をごちゃ混ぜにした人間の愚かさと矮小さを此でもかと?突き付けて。ヴァネッサさん、口は悪いがww頼りになるお姉さまで♪イングリド、今回は災難やね?○泣き爺いのオマージュ(そう云う事にしとこう笑)シュリーカーに襲われて?しかもwカラー口絵の→2016/09/22
ヱロ本Gメン
11
いつものお楽しみ芸人〈鉄槌〉達にインパクトが欠けたかな。その分ナマコ、ウニ、サンゴ、ヒトデ達が大活躍!ナマコちゃんのグロ戦闘がもっと見たかったなあ。魔法医師流のクトゥルフ神話という意味では面白かったが、本筋ではうじうじするヴィクターとクリミアが仲直りしただけ。いろいろと魔法医学とドゥンの秘密が明かされたがクトゥルフ相手ではどうにも分が悪い。せっかくの新キャラ聖乙女がノーマル過ぎる。次巻はヤンデレ増しまし&変態性モリモリで行って欲しい。イングリッドちゃんは頑張ったね!次巻もヨロスク!で、ヘルメスは?2016/09/19
羊山羊
10
エロだ!海だ!マンネリ期だ!な4巻。サイコーにぶっ飛んでて楽しかった。ヴィクターとクリミアがマンネリ期に。悩んだクリミアは元魔法医師のハーネマンの所に向かう。結果二人は散り散りになってしまう。イングリドと共にクリミアを追うヴィクターだがそこには鉄槌とイングリドを襲う卑劣な全裸中年男性の魔手が迫りくる!チ○コのこと陽物っていうんですね、初めて知った言い回し。イングリドとのビミョーな駆け引きの応酬とSTA○細胞で心ときめいた1冊。2021/12/06
HANA
8
今回は海話。海の生物関連だけになかなかな描写が多くて読むのも大変だった。そして唐突の時事ネタは面白かった。ここで出てくるなんて思ってもみなかったネタだったのでかなり驚いたけれど。色々な治療法が出てきているので今後どういった物が出てくるかも見もの。次も楽しみ。2016/10/21
不以
4
海に呑まれた後の街の風景があまりにも冒涜的。人の延長としの異界の営みを、異界として健全にまっとうしてるのが気持ち悪くて凄いね。/ホメオパシーのトンデモ論面白いなーって読んでたら、STAP細胞が出てきて笑った。価値をこれでもかと高めたキャラにそれぶち込むセンスというか度胸がヤバいな。2017/05/27