内容説明
大地震の悲しみも癒えつつあった安政三年秋、大あらしが江戸を襲った。強風に高波、そして火事。おたねが夫とともに逃げ込んだ寺の境内は、悲嘆に暮れる人々であふれていた。家を失った者、家族と生き別れになった者。おたねの作る料理が、皆の心にぬくもりを与えてゆく。打ちのめされても再び立ち上がる人々の営みを温かい眼差しで描く、好評シリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まー
29
天災や火事に負けずに、再び前を向こうとする江戸の人々の姿が印象的。当たり前のように助け合う様子が素敵でした。全体的にさらりと読了。2016/11/30
み
26
さくさくと♪もう悲しい展開はないかと思ってたのに(>_<)いろんな野菜が外国から入ってきたんですね、新しい食材をどう食べるのか試行錯誤は楽しそう。2016/07/02
メルル
23
またも災害。辛いなかで乗り越えようとする人々。そして料理で励まし、本当に幻だったコロッケ(笑) 料理が出てくるのは嬉しいけれどちょっと薄い。次々と辛い現実が襲っているのに内容がさらっとしているし、料理ももっと力強く登場してほしい。まあ、どの料理も美味しそうなんでいいですけど…(笑) 炊き出しで食べられる温かい料理は心を癒してくれるだろう。2016/05/13
tomtom
17
災害が続くけど、復興に向かう力がすごく強い。炊き出しなんだけどおりきの作る雑炊が美味しそうに感じる。太助も料理修行してたはずなのに手伝わなくて勿体無いと思ってたから、厨に入ってくれてよかった。2022/11/29
真理そら
16
パンがないからパン粉がない。玉ねぎもない。こんな状態でコロッケに挑戦しているのが楽しい。丸めたコロッケ風のものを焼いてみればどうだろうか、そういえばほおずきとトマトは似てるかもしれないなどと本筋から離れたところで考え込みながら読んだ。象山が知恵の出所になっているのが面白いような不吉なような…。作者はのどか屋もそうだけれど火事や地震やあれこれ大変だけど生き延びた命で懸命に前向きに暮らす江戸の人たちを描きたいのだろう。千ちゃんものびやかに育って走れるようになったし。2017/10/18