内容説明
安政の大地震からふた月。芝の伊皿子坂に新たなのれんを掛けた見世があった。名前は夢屋。おかみのおたねには、震災で悲しい思いをした人たちを料理で元気づけたい願いがあった。見世の看板は、新鮮な玉子をつかった数々の料理。そして、蘭学者でもあるおたねの夫が仕入れてくる南蛮わたりの食材だ。人々の人情と料理のぬくもりに心いやされる新シリーズ誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
み
37
アンソロジーでしか読んだことのなかった作家さん。さくさくと♪明るいお話しではなかったけど、読後感は悪くないです。キャベツやトマトが日本で育て始められた様子やお料理が面白かったので、続編出たら手にします(^_−)−☆2016/05/11
まー
34
江戸の町で料理屋を営むおたねたちが、重い病にかかった薬種問屋の息子のために南蛮渡来の料理を工夫して滋養をとどける…読みやすく、すいすいと読了。想いと志は続いていく。2016/07/26
メルル
30
時代ものですが、とても読み易くてあっという間に読了。おたねや周囲の人々の優しさが身に沁みる。良い人しか出てこない。料理は心や病を癒す。実際にこんな料理はまだ存在しなかっただろうけど、みんなで知恵を出し励ましあって初めての料理を作る様子は面白かった。聞いたことも見たこともない料理を作るって難しいだろうな。2016/05/12
はるき
28
人情時代劇で料理屋が舞台ときたら読むしか無い。悲しい雰囲気が漂うんだが読みやすいので一気に最後まで行った。新シリーズ開幕、今後が楽しみ。2016/06/01
keith
27
死病を得た薬種問屋の跡取り息子に、滋養溢れる料理を南蛮由来の食材や調理法で提供しようとする料理屋「夢屋」のお話。人情味のあるいい話なんですが、どうしても「みをつくし」と比べてしまいますね。2017/05/30