内容説明
IWGP第2シーズン、満を持してスタート!
ストリートの“今”を切り取り続けてきた本シリーズ。時を経て池袋は少しずつ変容しているが、あの男たちは変わらない。脱法ドラッグ、仮想通貨、ヘイトスピーチ。次々に火を噴くトラブルをめぐり、マコトやタカシ、そしてとびきりクールな仲間が躍動する。 解説・安田浩一
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
125
このシリーズ再開第1作目で、やはり4つの短編が収められています。最近話題になっていることをうまく物語に仕立て上げてくれて私にとってのむかしの鬼平シリーズのような感じになっています。とくにいいのは主人公がクラシックファンで必ず聴く場面が出てきて私の知っている曲がよく出てきます。筆者の石田さんがクラシックが好きなのでしょうね。2019/05/22
れみ
109
IWGP第2シーズン1作目。ヘイトデモを行う団体とそれを批判する団体と批判するのみならず制裁を加えようとする団体から自分たちの街を守ろうとするマコトとタカシ。その裏で暗躍する存在とは(表題作)。林高泰の中排会とヘ民会に対する評価が辛辣だけどその通りとしか言いようがない。色んなニュースを見たりすると私だって色々思うことはあるけどヘイトスピーチやヘイトデモは不愉快すぎる(ヘイトデモの動画を見る機会があったんだけど…ほんと酷かった)。マコトたちも20代後半(?)になったらしいけど相変わらずでこれからも楽しみ。2019/04/12
エピファネイア
87
石田衣良さんのIWGPシリーズ第二期の始まり。マコトとサザエさんは年をとらないと勝手に決めていたが、いきなり20代後半になっていた。永遠の20歳でいてほしかったな。このシリーズは、時間が経ってから当時の世相などに思いをはせながら読むのが好き。今作は2013年に連載された4編。テーマは、脱法ドラッグ、ギャンブル依存、ノマドワーカー、ヘイトスピーチ。ギャンブル依存は最近も大きなニュースになったばかり。ヘイトスピーチも10年経ってどんどん過激になり分断が衝突の一歩手前まで来ている。世界は退化の一途を辿っている。2024/04/30
ゆいまある
85
石田衣良がヘイトスピーチを書いたら、反動で中韓美化するとか優等生的な話になってつまらないかと思ってた。逆だった。そうならないように意識しすぎて、ヘイト撒き散らす側に恋愛話くっつけてみたり、迎え撃つ側がショボくてテンション上がらない。ブラックスーツで決めたカウンターとか、幾らでもオシャレに書けただろうに。実在した男組とかの方がクール。安田浩一さんの解説があったのが救い。食い足りないけど、ギャンブル依存、なかでもパチンコ依存を書いてくれてありがたかった。産業が三業になってたり今回は校正もイケてない。2019/02/27
ユカ
77
IWGP,久しぶり。10数年前,長野の田舎でこのシリーズを読み,縁あって池袋近辺に棲まうことになりました。東京の人は池袋(というか山手線の北部)はイケてないと感じるらしいのですが,わたしはその感覚が全然なく,好感しかもてません。これもひとえにマコト達のおかげです。いまでも池袋の街を歩くのはとても楽しく,(飲めないので入り浸ることはないけれど)西一番街の近くを通ればマコトを探す。本作からマコト達はアラサーになったようですが,変わらず日本の社会問題を街単位で自治していて,やっぱり,やっぱりかっこいいのです。2016/09/13




