内容説明
池袋の雑居ビルで若者が飛びおり自殺を図る。彼は急成長したチェーン店の従業員だった。無能の烙印を押され、退職を強要された末にヤケになった若者。そして、次の犠牲者が――。耳触りのいい言葉で若者を洗脳し、つかい潰すブラック企業の闇に、マコトとタカシが斬りこむ! 表題作ほか3篇を収録のIWGPシリーズ第12作。 解説・今野晴貴
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
124
IWGPシリーズ12作目。急成長したチェーン店の従業員がビルから飛び降り自殺を図り、ブラック企業の闇に挑むマコトとタカシ(表題作)。作中もそうだけど解説に出てくるブラックバイトの実態にはびっくりする。バブル崩壊とかデフレスパイラルとか少子化とか…ここ2~30年のあれこれのしわ寄せという感じがする。ユーチューブ、廃校舎のアートギャラリーなど…、今らしいテーマのなかにそこに関わる人々の光と闇が描かれ、マコトとタカシの友情とマコトのお母さんのかっこ良さも相変わらずでやっぱり面白かった。2020/02/22
KAZOO
122
これも再開してから2作目となっていて同じように4つの話が収められています。表題作が面白くキングなどの登場が最近は多くなってきています。私はテレビドラマは見ない主義ですが、映画でやってくれないかと思っています。私のイメージは主人公が松山ケンイチ、キングが藤原竜也なのですが。2019/05/29
ゆいまある
95
いつまでも続くIWGP。私はすっかり年を取ったのにマコトは老けることなく、サザエさんみたい。そういえばサルは出てこなくなり、反社会勢力と組むことがなくなった。これも時代の流れか。表題作、登場人物は正規雇用の社員。精神科心療内科に行って診断書取れば傷病手当貰いながら休めてその間に正気に戻れる。だけど、バイトだと休むと言った瞬間普通は職場と縁が切れるので、だからこそ休めない。そこもブラックなんだけど、そこまで書くにはページが足りなかったんだろう。解説が素晴らしい。そろそろ保育園入れないとか、介護ネタも読みたい2019/07/28
エピファネイア
82
石田衣良さんの偉大なるマンネリシリーズ。池袋ウエストゲートパーク周辺で若者たちが様々なトラブルに巻き込まれる。それを解決するマコトとGボーイズを率いるタカシの活躍。水戸黄門シリーズの若者版といったところ。「さ~て今回はアートサポート、ユーチューバー、整形依存、ブラックバイトの4本です」と書けばサザエさん的になる。いずれにしてもこのマンネリ感がありながらも定期的に手に取りたくなる不思議なシリーズ。今作は2015年に発表されたもの。「西一番街ブラックバイト」がお勧め。10年たてば時代は移ると実感しながら読了。2024/10/25
はにこ
76
廃校でのアート活動妨害、狙われたYouTuber、整形詐欺、ブラック企業と、ニュースで見たことがある社会問題が今回のテーマ。過激なYouTuberって理解出来なかったけど、彼らなりにお金を稼ぐのに必死なのだなぁとそれなりに理解できた。行きすぎた整形、見かけるけど本人の満足する顔って難しいよね。ブラック企業は、私が新卒で入った企業がそうだったから、本の中でだけでも恨みが晴らせてスッキリした。2020/11/21
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