内容説明
森若沙名子、27歳、彼氏なし。入社以来、経理一筋。きっちりとした労働と、適正な給料。過剰なものも足りないものもない、完璧な生活をおくっている、はずだった。最近、そんな気配のなかった同期に恋人ができて、少し迷いが生じている。ある日、営業部のエース・山田太陽が持ち込んだ領収書には「4800円、たこ焼き代」。経理からは社内の人間模様が見えてくる?
目次
第一話 これは経費で落ちません!
第二話 ミスしたら謝れ! いや謝ってくださいね?
第三話 あなたはぼくの太陽です!
第四話 今送ったメール間違いだから。見ずに消せ!
エピローグ ~代理の真夕ちゃん~
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
1166
低体温な主人公のユルい感じのお仕事小説。経理の仕事のイメージから逆算して作られたような主人公のキャラが思いのほか好印象で、一話一話が短く、変にクヨクヨしたりする心理描写がないのでスルスルと読み進める事が出来る。実際に一緒に働くとやりづらそうなのに、活字の上だと全くそういうのを感じない。ただ、タイトルはには偽りあり。4800円のたこ焼き代もテーマパーク代も躊躇いもなく経費として処理される。特にその辺でもの申す!なシーンもないので、なぜこのタイトルなのだろうとは思う。とりあえず次作も読む予定ではいる。2017/05/29
馨
854
ドラマ版を先に見ていたので登場人物は全てドラマのイメージで読みました。原作も活字でも面白く読めました。経理は出来ませんが天天の経理部みたいな環境の会社で働いてみたい。さなこの私生活がしっかりしていて計画的で凄く憧れました。2019/11/21
しんごろ
836
『風呂ソムリエ』の続編!だけど『風呂ソムリエ』の続編というよりは天天コーポレーションの続編という方がスッキリします。『風呂ソムリエ』の登場人物達は脇役にまわり、主人公が代わって今回は経理部がメインの話です。前作より、お仕事小説っぽい今作品の方が個人的には好きですね。主人公の森若沙名子の生真面目で不器用な感じが読む側を惹きつけてくれます(^^)『風呂ソムリエ』の登場人物達もちょいちょいいい感じで登場して、続編してほしいと思う作品に仕上がってると思います(^-^)2017/01/30
Yunemo
693
なんだか仄々と、言い換えれば温い経理部に描かれて、好感を持ちながら。実際には、会社の中で経理というポジションは、経営における入口と出口を押さえている部門。その中で働く人たち、いつのまにか職種に染まらざるを得ません。経理上、払いと入りが同等で、どっちにも傾いていない状態、イーブンの状態がスッキリ。この感覚よくよく理解できます。フェアより重みがあって、個性を控えめに出しながら、1枚の伝票にある事実、その裏にある出来事を探り出すという感覚、味わい深く。軽いタッチながら、表の言葉と心の内の対比、真に身に沁みます。2016/09/06
射手座の天使あきちゃん
647
タイトルだけ読むと、カラ出張で私腹を肥やす悪徳上司やペイバック分を上乗せした接待伝票を回す不届き営業部員を懲らしめるスーパー経理ウーマンの勧善懲悪ストーリーかと思ってました(笑) 「フェアよりもイーブン」いいなぁ森若さん、このあとお話がどう展開して行くのか恋の行く末も楽しみ~♪ (^_^)v2020/05/16