内容説明
群雄割拠、他国からの侵略も絶えないイタリアにあって、一千年もの長きにわたり交易で欧州を席巻、自由と独立を守りつづけた海洋国家ヴェネツィア。地中海に名をとどろかせた高度な統治の内容と、そこに生きる人々の叡知、そしてついには衰亡へと向かう壮大なドラマを詳述する。執筆当時を回想したメイキングを新たに収録。 ※当電子版は単行本上巻(新潮文庫第1巻~第3巻)と同じ内容です。地図・年表なども含みます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomoichi
19
単行本は電車で読むのに向いていないので買ったまま放置していたが代休日に暇つぶしに読み出したら止まらない。さすが塩野七生。ハズレないです。通商国家のリアリズムを学べます。下巻に続く。2020/03/20
紅茶虎
12
ヴェネツィア共和国の特異さに注目。ライバル・ジェノヴァ人との気質の違い、先に滅びてしまった他の都市国家との違い、とりわけ他の何者も作れなかった緻密な政治体制について解説してくれる。アドリア海沿岸の街が、すすんで支配を望むほどであったヴェネツィアの善政。教科書とは異なる視点から見る第四次十字軍。筋書きされたドラマのようなキオッジアの戦い。大満足でした。2023/05/14
ふうた
7
旅行に向けて予習。行くまでにどれだけ記憶に残るか分からないけれど。とにかくヴィネツィアは商人の都市であり、非常に合理的であるということは分かった。キリスト教が大きな力を持っていた時代に平気で法王の裏をかいてイスラム教徒と商売したり特異な都市国家だった。2016/08/14
かわかみ
5
下巻については、登録してレビューも記したのに、なぜか上巻は記録漏れ💦。ローマ帝国が滅んだ後にイスラム圏の海賊に荒らされた弱き民たちが団結して独立した共和国を建設していった様は感動的ですらある。危機管理、海軍力、民主的な政体、技術と文化など、ヴェネツィアの歴史に学びうることは多々ある。マクニールの「ヴェネツィア」からもわかるように彼らは明らかに先進的だった。そして下巻に記された領域国家の時代へと覇権は推移していく。2024/05/12
shiro
5
再読。ヴェネツィアの話を読んでいて安心できるのは、政府も国民も皆同じ方向を向いているという点なんだろうな。これがジェノヴァやフィレンツェだったら度重なる内政の混乱に加えて外敵の脅威も考えなくてはいけなくて当事者たちも大変だったろうけど読んでいる方も疲れてしまう。もちろんそれが悪いわけではないけれど。2016/10/12
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