神の代理人―塩野七生ルネサンス著作集6―

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神の代理人―塩野七生ルネサンス著作集6―

  • 著者名:塩野七生【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 新潮社(2016/04発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101181424

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内容説明

教会の権威復活のために十字軍結成に心血を注いだ知識人法王ピオ二世。過激な改革を説き、民衆の熱狂的な支持を集めるサヴォナローラと対峙したアレッサンドロ六世。教会領再復のため、自ら軍隊を組織し陣頭に立ったジュリオ二世。芸術と豪奢を愛し、法王庁の資産を食いつぶしたメディチ家出身のレオーネ十世……。権力の中枢を生きたローマ法王の実像を描き出す、塩野文学初期の傑作。 ※当電子版は新潮文庫『神の代理人』を元に制作しています。地図・年表なども含みます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

92
塩野さんの若かりし頃に書かれた作品で、神の代理人ということで、4人の法王、ピオ二世、アレッサンドロ六世、ジュリオ二世、レオーネ十世が取り上げられています。結構力が入っていて読みでがあります。なぜこの4人を選んだのかはあまり書かれていませんが、それぞれこの4人の法王がいた時代と、十字軍、あるいはサヴォナローラという狂信的改革者と対峙した、自ら戦陣に赴いた、メディチ家出身の法王などということで選ばれたのでしょう。私はキリスト教徒ではないので、あまり知らないのですが、いかに法王という地位が権力の象徴であったかと2015/07/23

k5

68
ピオ二世、アレッサンドロ六世、ジュリオ二世、レオーネ十世と、今までは副次的な登場人物として見ていたローマ法王を軸にした物語。唯一、サヴォナローラとの書簡体小説になっているアレッサンドロの章が微妙でしたが、どれも面白かったです。聖闘士星矢世代のせいか「教皇」って書きがちですが、まさにキリスト教の法を司るという意味で「法王」が正しいんですよね。(逆に白河法皇とかは教皇でもいいのかも)。「神の代理人」というタイトル含め、塩野七生は上手だな、と思います。2021/05/28

アイゼナハ@灯れ松明の火

36
作者は『若書き三部作』などと謙遜されておりますが、なんのなんの。一篇一篇趣向が凝らされてて、楽しんで読めました。ピオ二世からレオーネ十世まで、ルネサンス時代を生きた四人の法王猊下の事蹟を綴った短編集。『アレッサンドロ六世とサヴォナローラ』はよくつなげたなぁと思ってただけに[付記]でヤラれたっと思ってしまった(笑)しかし、こんなに個性豊かな法王が続いたというのも時代のなせる業なのかしらね。ルネサンスはまた、小国が乱立するイタリアに列強が支配の手を伸ばさんとしている時代でもあったのだなぁと改めて。2012/11/08

HoneyBear

30
日本が戦国時代だった頃のイタリア半島。教皇も破門という特別な武器と権謀術数を駆使して権勢の維持と拡大を図っていた。(現在のフランシスから思い描く法王像とは違って)「宗教的には不まじめ」な教皇たちが精神界を支配していたからイタリアでは(北方で起きたような宗教改革ではなく)ルネサンスという人間性の解放が起きたという作者の視点は新鮮で面白い。塩野ワールドが大好きだが、登場人物に共感できないためか、この小説は少し読み進みにくかった。2014/10/26

加納恭史

27
塩野七生さんの不思議な魅力に引かれ、彼女の初期の作品を読んでみたくなる。「君主論」のマキャベリにも共感する彼女だから、神の代理人つまりローマ法王をどのように描くのだろうか?宗教でも哲学でもあらゆる思想でも、中心から辺境に行くにつれてなぜか純度が高まる。キリスト教世界では辺境になる日本では、おかしくなるほど純粋でまじめなキリスト教になっている。ところが彼女は、キリスト教の本山のあるローマに来てしまった。ルネサンスは造り出したが宗教改革はしなかったという。だが、人間性を現実に直視する能力には優れている。2022/09/13

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