内容説明
十五世紀末イタリア。群立する都市国家を統一し、自らの王国とする野望を抱いた一人の若者がいた。その名はチェーザレ・ボルジア。法王の庶子として教会勢力を操り、政略結婚によって得たフランス王の援助を背景に、ヨーロッパを騒乱の渦に巻き込んだ。目的のためなら手段を選ばず、ルネサンス期を生き急ぐように駆け抜けた青春は、いかなる結末をみたのか。塩野文学初期の傑作。 ※当電子版は新潮文庫『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』を元に制作しています。地図・年表なども含みます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
182
久しぶりに再読。1970年度の毎日出版文化賞受賞作なので、初出はもう随分以前である。しかし、今でもけっして古びることなく輝きを失わない。チェーザレ・ボルジアの波乱に富んだ生涯を見事に描き出している。そして、読後は静かな感動に包まれるのである。2012/03/20
まちゃ
144
(再読)何回読んでも塩野七生さんの独特の文章で綴られた歴史小説に惹き付けられます。人間世界の歴史に対する作者の真摯で温かい眼差を感じずにはいられません。十五世紀末イタリア統一の野望を抱いたチェーザレ・ボルジアの生涯を描いた物語。イタリア語のチェーザレ(Cesare)は、ラテン語でカエサル。かの有名なガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー )に通じます。両者とも凡人には見えない未来を構想して行動する天才であったと思います。2015/09/27
マエダ
111
マキャベリが君主論において、新たに君主になったものが見習うべき人物としてを上げている程の人物であるチェーザレ。レオナルド・ダ・ヴィンチとの繋がりやマキャベリとの関係、人心掌握などとても面白い。2016/08/06
rico
106
群雄割拠のルネッサンス期イタリアを駆け抜けたチェーザレ・ボルジアの生涯。野心に溢れ、権謀術数を弄し、邪魔者を周到に排除(殺)し、昇りつめていった果てに、流星のように墜ちていって。遊びが少なく情報量の多い塩野さんの文体と慣れない地名や名前に手こずりつつも、気がつけば、この血塗られた美しき君主に魅了されていた。歴史にifはないけど、法王と同時に病に倒れることがなければ、彼がイタリアを統一し、ヨーロッパは今と違った形になっていたのだろうと夢想してみる。とはいえ天寿を全うするチェーザレはなかなか想像しにくいけど。2023/07/12
Nobu A
92
塩野七生著書初読。70年初刊。読書会課題図書。歴史小説は知識欲を満たすが故に心躍る。無味乾燥な歴史資料ではなく、立体的に描写された物語進展が感情移入を容易にする。と思いつつ頁を繰る。でもね一言で言うと壮大、いや壮大過ぎる。先日話題になった映画「コンクラーベ」(視聴済)を命題にし、タイトルの主人公の物語。思想家、ニッコロ・マキャベリや万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチと錚々たる顔触れが登場し、見慣れないカタカナ表記の夥しい登場人物に情報過多。情報処理能力が追いつかない。一人ずつ本が書けるだけに手に余る。2026/02/18
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