内容説明
若々しく大胆な魂と冷徹な現実主義に支えられた時、政治もまた芸術的に美しい。ルネサンスとはそういう時代であった。女たちはその時、政争と戦乱の世を生き延びることが求められた。夫を敵国の人質にとられれば解放を求めて交渉し、生家の男たちの権力闘争に巻き込まれ、また時には籠城戦の指揮もとる──。時代を代表する四人の女の人生を鮮やかに描き出した、塩野文学の出発点。 ※当電子版は新潮文庫『ルネサンスの女たち』を元に制作しています。地図・年表なども含みます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
99
面白かったです。塩野文学の原点とも言える作品ですね。ルネサンス時代を代表する4人の女性たちに焦点を当てて描いていますが、その人生は輝かしいものではなく、戦争と政治の世を生き抜かなければならないというのがよくわかります。冷徹な現実主義と芸術的な政治の時代がルネサンスという本来の歴史的姿を見たようでした。鮮やかに描かれた女性たちの生き様も印象的です。個人的にはやはりルクレチア・ボルジアが好きです。2017/05/25
優希
71
塩野文学の原点とも言える作品でした。ルネサンス時代を代表する4人の女性たちに視点を当てて描いています。大胆な魂と現実主義、美しい政治の時代。そんな中で戦争と戦乱の世を生きることを求められたのが女性たちなのですね。本来のルネサンス時代を見たような気がしました。2019/12/13
たんかれ~
28
芸術を愛し、絶妙な政治バランス感覚で国難を乗り切ったイザベッラ・デステ、兄チェーザレに政略的に酷使され、時代に流されながらもそれに逆らわず、その中で女の幸せを求め続けたルクレツィア・ボルジア、メンタル強すぎで金と権力と恋に生きたじゃじゃ馬カテリーナ・スフォルツァ、祖国ヴェネツィアの意に翻弄され続けたキプロス王妃カテリーナ・コルネール。4人とも魅力的です。彼女たちを通して、ルネサンス期の時代、国家、男性を描いてます。ゲーテの言葉「女を知ることは歴史の真実を知ること」納得。2020/07/17
圭
22
【再読】イタリアのルネサンス期に生きた4人の女性の一生を綴った作品。優れた政治的手腕をもったイザベッラ・デステ、類稀な父と兄を持ち政治に翻弄されたルクレツィア・ボルジア、大胆で勇猛なカテリーナ・スフォルツァ、傀儡の女王カテリーナ・コルネール。厳しい戦乱の世での4人の女性の全く違う人生を通して、当時のイタリア都市国家の政治情勢を透かし見ることができます。特にカテリーナ・スフォルツァの生き方は鮮烈で印象に残ります。ロドリーゴ・ボルジア、アルフォンソ・デステなど彼女たちを取り巻く男性達も魅力的に描かれています。2014/09/02
Tomoichi
20
塩野七生の処女作。完全に完成されていてやはり面白い本を書く人は違います。本題、ルネッサンス期の代表的なまたそれぞれキャラクターの違う女性たち4人を描く。男運のない女の話って言ってしまうと元も子もないが不運にどう立ち向かったかが彼女たちの運命を変えていく。✨✨2016/08/25
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