海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年(下)―塩野七生ルネサンス著作集5―

個数:1
紙書籍版価格
¥2,200
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年(下)―塩野七生ルネサンス著作集5―

  • 著者名:塩野七生【著】
  • 価格 ¥1,716(本体¥1,560)
  • 新潮社(2016/04発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106465055

ファイル: /

内容説明

群雄割拠、他国からの侵略も絶えないイタリアにあって、一千年もの長きにわたり交易で欧州を席巻、自由と独立を守りつづけた海洋国家ヴェネツィア。地中海に名をとどろかせた高度な統治の内容と、そこに生きる人々の叡知、そしてついには衰亡へと向かう壮大なドラマを詳述する。執筆当時を回想したメイキングを新たに収録。 ※当電子版は単行本下巻(新潮文庫第4巻~第6巻)と同じ内容です。地図・年表なども含みます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tomoichi

22
1000年続いたヴェネツィアもトルコとの戦いやヨーロッパ情勢の変化により少しずつ衰退していく。通商国家として非武装・中立を採用していたことがヴェネツィアを滅亡に導く、ナポレオンの登場によって。単行本が出たのは1981年。当時の日本への痛烈な批判になったと想像できる。さあ次は著者のどの作品を読もうかな?2020/03/29

ぐっちー

19
ヴェネツィアという生き様を描く本書は、上巻が誕生から青年期、下巻が死までを扱う。下巻は波乱に継ぐ波乱。成長の為の波じゃないから痛々しい。小国であっても巧みな外交とアイデアで乗り切っていた頃はよかったが、トルコとの戦でジリ貧になっていくのは辛かった。そして、ナポレオンがこれほど嫌な奴に見えたのは初めて。アンチヒーローの国が、新たなヒーローの前に右往左往する様は哀し。今現在の祝祭の街のイメージは18世紀には出来上がっていたのか。仮面を着けての無礼講もいいけど、『聖地巡礼パックツアー』も行ってみたい。2016/04/02

紅茶虎

12
滅亡するのがわかっている国の歴史を読むのはもの悲しさがある、とはいえ、ヴェネツィアにはそれ以上に感情移入してしまった。大航海時代についていけなくなって衰退したわけではない。あこぎな商人国家というだけでは断じてない。トルコ兵をして「幽霊が戦っている」と言わしめたクレタ攻防戦は、まさしく国の存亡をかけた戦いだった。共和国最後の日、街を去るスラブ傭兵の礼砲に議員が驚いてパニックになり、たしなめられるという生々しい場面がある。それもかえって、読後の哀愁を誘う。2023/06/02

かわかみ

7
1571年にヴェネツィアは欧州諸国や法王庁に呼びかけて戦ったレパントの海戦でトルコに勝利した。しかし、時代は都市国家の時代から君主を戴く領域国家が海外植民地を開拓する時代に移り変わっていった。またヴェネツィア国内では、17世紀から進んだ工業化による一部貴族の没落や新興階級の閉塞感のために、指導層の硬直化と社会の分断も見られるようになった。18世紀には最早強国ではなく文化のみが残ったが、終にはナポレオンの軍門に降って独立を失った。ヴェネツィア人が愚かだったのではなくて時の流れには逆らえなかったのだ。2024/05/15

shiro

4
再読。ナポレオンの要求に抗うこともせず、無抵抗に国を明け渡した元老院を歯痒く思ったけれど、結果として見るならば流される血も失われる財産も最小限で済み、少なくともヴェネツィアという街と人々と文化はそのまま次の世代へと残った。これがたとえ当時の貴族階級の怯懦と保身の結果であったとしても、戦って痕跡すらも残さず消えた国々を思うと何が正しかったのかを断じるのは難しいのだと思う。そしてよりによってヴェネツィアで「自由・平等・博愛」を叫ぶフランス軍のなんと未熟でその言葉が空疎に響くことか。2016/11/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/547699
  • ご注意事項

最近チェックした商品