内容説明
金貸しの老婆を絞殺し、百五十両を奪った廉で六角牢屋敷に送られた多吉。腕利きと評判の吟味役同心・太田宗兵衛から、凄惨な拷問を受けながらも頑として罪を認めない彼の様子に、菊太郎はある仮説を立てる。事件の真相を探るため、罪人になりすまして牢屋敷に潜入した菊太郎が見たものとは何だったのか? 感涙必至の人気シリーズ、第十九集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
くぅ~ねる
2
公事宿鯉屋の居候である田村菊太郎が、飄々としながらもしっかりと物事のケリをつける様がシリーズ19作目にしてもカッコいい。冤罪の人間を助けるために自分も罪人になりすまし牢屋敷に潜入するのだが、その際に義弟や鯉屋の主が菊太郎に感じた思いに共感した。人情物が揃った内容だったが、最後に収録された「羅刹の女」は現代社会でも問題になっているネグレクトを取り上げている。貧しいながらも正直に、互助の気持ちを持つ長屋の住人達に相応のラストで良かった。鯉屋の主はもしかしたら菊太郎よりも怖い存在かも知れない(笑)。2025/12/24
kazu@十五夜読書会
2
ハードカバー読了済み(文庫もダブル登録で、共読本に反映させる)公事宿事件書留帳19巻。一話の「闇の蛍」が切なく悲しかった。後の話は、解決がスカッと気持ちよく読めた。時代は進んでいくが、菊太郎の近辺に変化がなくちょっと不思議。2012/11/20
fengui
2
時代は違えど人間の欲の質はあまり変わらないのかもしれません。「闇の蛍」は凄惨です。表も裏をも知っている主人公ならではの解決方法ですね。2012/12/24
qoop
1
シリーズ19冊目。表題作ほか〈闇の蛍〉〈贋の正宗〉〈羅刹の女〉など、悪事を為して恥じない人々の業を書いた話が多い本巻。狂気、欲望、あるいは善行のために悪へと走る人々に対し、菊太郎の処し方は一様ではない。一筋縄では行かない主人公の行動理念が、ある意味わかりやすく読み取れる一冊だった。2012/12/20
kinta
0
シリーズ19冊目。 最近、主人公が脇に回ることの多かったこの作品、 今回は中心あり、そして、脇に回し方が堂にいってきた模様で、魅せる脇の主役を印象づけた。 結果として、出てきた作品は結構人の欲の振りきり方が半端なくえげつない匂いを発している。 シリーズが続いたからこそできる技だなあ。 だからこそ、お信さんの気持ちの一文が浮いてしまった感が残念。




