内容説明
維新で賊軍とされた伊予・松山に、三人の若者がいた。貧乏士族の長男で風呂焚きまでした信さん(後の秋山好古)、弟で札付きのガキ大将の淳さん(真之)、その竹馬の友で怖がりの升さん(正岡子規)である。三人はやがて、固陋なる故郷を離れ、学問・天下を目指して東京に向かう。しかし、誰が彼らの将来を予見できただろうか。一人は日本陸軍の騎兵の礎をつくり、一人は日本海大海戦を勝利にみちびき、さらに一人は日本の文学に革命を起こすことになるのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
328
日露戦争勝利の立役者達と彼らに係る著名人達のバイオグラフィーが手短に且つ、脱線しながら語られます(脱線はもはや著者の「お約束」なのですが、これが滅法面白い!)。時は緩くしかし急速に流れ、各々の道を自ら歩むというか世の中がそうさせているようにも感じます。さて次巻は何が語られるのか楽しみ。2025/06/12
yoshida
315
再読。明治という時代を秋山好古・秋山真之兄弟、正岡子規の生涯を通じて描く。司馬史観とか色々言われているが、史書ではなく小説なので物語として楽しんで読む。当時は産業革命により欧米列強が世界を蚕食。武力による植民地統治が当前だった。日本も米国の砲艦外交で開国。不平等条約を押し付けられる。世界に出た日本は欧米列強の介入前に何とか中央集権の明治国家を成立。独立を保ち欧米列強に互する為に欧米の文化風俗と技術を取り入れる。欧米列強に「猿」と蔑まれようとも。好古は陸軍へ、真之は海軍へ。子規は結核に犯され命の焔を燃やす。2018/02/11
遥かなる想い
296
司馬遼太郎の代表作でもあるし、日本人たる者読むべし、と言われた読んだ記憶があるが、戦争シーンは正直長い。ただ、読んでいると明治の人たちの前に進む気概のようなものを感じるのもまた事実。昭和の高度成長の時代も同じだったのだろうか。本書により、秋山好古と秋山真之を初めて知った。書きにくい時代をよくぞ書いてくれた、とは思う。2010/07/31
ちくわ
263
遂に長長編小説に手を出してしまう。歴史好きなので何とかなるかも?と安易に読み始めたが…全8巻の2500頁超となると予定読書期間は4ヵ月(泣)…そして賽は投げられた。感想…方言が妙に心地良い。九州北部の方言とは異なるが、違和感はさほど無く、リアルさが増す分作中に入り込める。なのでズンズン読む…嗚呼、淡々と面白い。何処までが史実でどの辺からが創作(誇張)かはとんと分からんが、皆が活き活きとしている。夫々が青雲の志を秘め、荒ぶる大海に繰り出す。さらにズンズン…明治の雰囲気をなぞっている間に読了。次巻が楽しみだ!2025/08/02
森林・米・畑
237
維新から近代国家の仲間入りを果たし、先進国に追い付こうとしていたパワフルな時代。伊予松山の秋山好古、真之、正岡子規を中心にこの時代の様子が分かる。ドラマを見てたから、阿部寛、本木雅弘、香川照之がどうしても浮かびます。明治維新に遅れた藩(佐幕藩)だからこそ、薩長に負けるなとばかりに若者教育に励む。松山は近いし、温暖で柔和な風土は好きだ。2022/06/01
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