内容説明
各地の会戦できわどい勝利を得はしたものの、日本の戦闘能力は目にみえて衰えていった。補充すべき兵は底をついている。乏しい兵力をかき集めて、ロシア軍が腰をすえる奉天を包囲撃滅しようと、日本軍は捨て身の大攻勢に転じた。だが、果然、逆襲され、日本軍は処々で寸断され、敗走する苦境に陥った。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
297
前巻では文体と語りの方法がこれまでとは違っていたが、この巻でもそれを引きずっているかのようだ。すなわち、緊迫した時間よりも、依然として構えて説明するような時間が多いのである。前半は陸戦が中心だが、乃木軍は相変わらず弱い。司馬遼󠄁太郎の表現では「大潰乱」、「敗走」である。ただ、一方の将であるクロパトキンもまた迷走を繰り返す。そうした中で、かろうじて大本営が所期していた、6:4の勝利が実現した。そして、そこからは外交戦である。講和に向けて小村寿太郎が動き、セオドア・ルーズベルトによる調停を待つことに。⇒2026/07/30
ehirano1
226
クロパトキンに始まりクロパトキンで閉じた感がありました。 #著者、今度はクロパトキンにブチギレ、そしてフルボッコ。#クロパトキンはクロパトキン自身に敗北。#ロシア軍はマスでは圧倒的優位にあるも己が作戦で敗北。その原因はもちろんクロパトキン。 2025/06/16
yoshida
220
奉天会戦、逸した講和の機会、日本海海戦の直前迄。日本軍は奉天会戦で辛勝する。しかし、日本の国力は疲弊していた。特に士官や兵士の質に顕著にみてとれる。そもそも士官や兵士は速成で育成できるものではない。日露開戦以来、多大な士官や兵士が亡くなっている。補充はどうしても追い付かない。自然、軍としての質も落ちることは否めない。大東亜戦争後半にも見られた現象と言える。後は外交の難しさか。奉天会戦で掴みかけた講和の機会を、外交上の不注意もあり逸する。結果、バルチック艦隊を撃滅せねばならなくなる。民族の死闘に終焉が迫る。2018/09/08
mitei
187
奉天会戦がメインの回ここが日露戦争最大の正念場で日本海海戦がフィナーレみたいな感じに見えるなぁ。しかしロシア側の雰囲気はまさに革命前夜ってレベルで悪い状態だな。2010/01/27
森林・米・畑
140
中々読み応えあり。前半は陸軍の奉天会戦、後半はバルチック艦隊がいよいよ近づき、海軍が騒がしくなる。日露での陸軍は戦の終結時を模索していかに有利な状態で講話交渉のテーブルを用意するかを模索していた。泥沼にはまって日本が滅びない為にも、外交とセットで考えていた児玉源太郎は凄い。また日本で最初にバルチック艦隊を目撃した宮古島の挿話は初耳で、勉強になった。7巻では大将とはどうあるべきか?など色々参考になった。いよいよ最終巻へ。2022/12/19
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