岩波少年文庫<br> 帰還

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岩波少年文庫
帰還

  • ISBN:9784001145915

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内容説明

ゲドの故郷ゴント島で一人暮らすテナーのもとに,大やけどを負った少女と,いまや魔法の力を使い果たしたかつての大賢人ゲドが,吹き寄せられるようにやってきた.やがて3人はいっしょに暮らすようになるが,それぞれの過去がこだましあい,領主の館をめぐる陰謀にしだいに巻き込まれてゆく.

目次

目  次

 1 で き ご と

 2 ハヤブサの巣へ

 3 オ ジ オ ン

 4 カ レ シ ン

 5 好  転

 6 悪  化

 7 ネ ズ ミ

 8 タ  カ

 9 ことばを探す

 10 イ ル カ 号

 11 わ が 家

 12 冬

 13 賢  人

 14 テ ハ ヌ ー
   訳者あとがき
   少年文庫版によせて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

57
再読の素晴らしさも噛みしめながら――。一応3巻で完結したような形になっていたが、前3作は、この名作を書くための壮大な前振りにさえ思える。それくらいの傑作。前回も一読してすぐ好きな作品になったが、こうして今回再読し、時間をかけて熟読すると、前回読み取れなかった(若さ故ということもあるが……)ところで、色々新たな発見があり、作品の素晴らしさを再認識できた。改めて、日頃の飛ばし読みの悪癖を深く反省(とはいえ、静養中というお蔭であり、回復したら、そうはいかないだろうが……)。これからも、折に触れて再読したい。⇒2022/04/25

たつや

54
壮大なスケールなんですね。でも、どこか気が遠くなるような雰囲気がある。あとがきが二つあり、意味がわかる。一度、この4巻で物語は終わるが、また、続編も書いたよということらしい。後半、ゲド、テル―らが暖炉の前で天地創造の歌について話すシーンが暖かく感じ、好きでした。2017/01/27

くたくた

42
壮大で抽象的だった前作までと違って、ついに地に足が付いた感じ。やっと物語が落ち着くべきところに落ち着いた。ゲドが特別な力を失った無力な男として、喪失に向き合い、再生すること。テナーが、一度は望んで受け入れた「女」という理不尽で不自由な在り方に向き合い、ゴハという社会的な女から、テナーという個人に再生すること。暴力と性的な虐待を受け、肉体的に大きく損なわれた少女が、本来の内なる全き姿を取り戻すこと。三者それぞれの喪失と再生の物語だった。全体の生と死という極めて抽象的な物語から、個人の物語への回帰でもあった。2025/03/09

みや

39
火傷を負う少女と暮らすテナーが、魔法の力を失ったゲドに再会する第四巻。オジオン、テナー、アレンが再登場し、映画に出てきたテルーもいて、オールスターの豪華さに嬉しくなった。だが、これまでとは雰囲気が大分違う。今までの三冊は若者たちの心の揺らぎや成長を丁寧に描いてきたが、今回は歳を重ねたテナーが主役であり、育児に悩むお母さんの物語という感じだった。女、妻、母といったテーマは、私には感情移入がしづらい。テナーとゲドのこういう展開も見たくなかった。ショックは大きいが、残り2巻を最後まで楽しみたい。2017/10/02

きょちょ

26
事件もあるのだが、前の3巻とは異なり全体的に静謐な雰囲気がある作品だった。時間的には3巻目に続く形。2巻目で登場した大巫女のテナーは、ゲドの故郷ゴントで普通の暮らしをする。夫が亡くなり子供も成人した後、強姦され火あぶりにされた女の子を引き取って暮らす。そこへ、3巻目で魔法を使い果たしたゲドが帰ってくるが、彼はまるで抜け殻のようだ。 この巻はファンタジー的要素も少なく、少年少女向けというより、もはや成人向けの作品。前にも書いたが、この本を読んだ少年少女はいったいどんな感想を持つのかが興味津々。 ★★★★2020/11/17

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