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内容説明
魔法使いのゲドが〈影〉と戦ってから数年後,アースシーの世界では島々の間に紛争が絶えない.ゲドは平和をもたらす力をもつという腕環を求めて,アースシーの東,アチュアンの墓所へゆく.墓所を守る大巫女アルハは,幼い頃より闇の者たちに仕えてきたが,ゲドとの出会いによって,自らの世界に疑問を抱きはじめる…….
目次
目 次
プロローグ
1 喰らわれし者
2 石 垣
3 囚われの者たち
4 夢 と 物 語
5 地下のあかり
6 捕らわれた男
7 大 宝 庫
8 名 ま え
9 エレス・アクベの腕環
10 闇 の 怒 り
11 西 方 の 山
12 航 海
訳者あとがき
少年文庫版によせて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
142
ハイタカは、今回は老師の役割となり、若いテナーがむしろ主人公だ。深い闇の世界。押しつぶされそうな圧迫感の中、話が進む。大巫女とは名ばかりで、実際には奴隷のように自由が無く、深い地の底に暮らすテナー。そこにハイタカが現われたという話。戦闘場面もドラゴンも無いが、テーマが分かりやすいので前作よりも面白かった。2023/07/22
KAZOO
118
今回は、アチュアンの墓所で「暗黒の地下迷宮」を守る少女のアルハがこの物語の前半の中心を占めその少女の生い立ちなどが記されます。後半はかなり年齢を経たゲドがこの地にきて島々の争いをなくすこの表題の「腕輪」を求めてきます。そこでのやり取りからそこにいる少女の本来の姿を取り戻させるのにゲドが役割を果たします。ここまでだとやはり第3巻で終了する感じです。2025/07/09
NAO
62
再読。最初に読んだときは、話が冗長でゲドの動きがトロくてかなりイライラしたのだが、今回、ゲドの動きの遅さが分かった気がした。アースシーのために、平和少女を元の少女に戻すために自分たちが助かるためてはいえ、すごいよ、この忍耐力。2025/01/28
ネギっ子gen
53
【わたしはテナー。わたしは名まえを取り戻した。わたしはテナーなんだ!】再読。冒頭から、名前を奪われた少女・テナーの話が語られる。風に舞うアザミの綿毛のように林檎園の中を軽やかに駆け回っていた幼女は、アチュアンの墓所の“永遠に生まれ変わる”巫女に選ばれ、”喰らわれし者・アルハと呼ばれるようになった――。中段にきて、ようやく墓所の地下迷宮に、世界平和をもたらす力を持つ「エレス・アクべの腕輪」を求めて、ゲドが登場しテナーと出会う。だが、その直後に囚われ人になる。竜王たる大魔法使いであっても、闇の力は強大ゆえ。⇒2022/04/10
くたくた
48
初読の時には暗く重い印象が残っていたが、再読すると、テナーの若木のようなみずみずしさと、しなやかな強さがこれまた印象的だと思う。ゲドはまだこの巻では若者なんだけど、すっかりおじさん的な風格をまとっている。派手に呪文を唱えたり魔法が迸ったりはしないのだけど、暗黒の神々の膝元でゲドが黙々と全力で戦ったのだ、と納得。こののちのテナーの物語は、18年後?に執筆された『帰還』につながっていく。2025/02/20