内容説明
―― 14歳の旅のはじまりから今日まで、どれくらいの時間を列車の上で過ごしてきただろう。決して楽しいことばかりの旅ではなかったけど、帰りたいと思ったことは一度もなかった――。ラジオの兵長を修理する旅の途中で、キーリとハーヴェイは首都治安部隊に捕まる。彼らは、首都に住むというキーリの実の父親に会わすと言う。困惑するキーリだったが、結局、監視つきで首都へ向かうことに……。首都へ向かう途中、ヨアヒムも現れ、無理やりキーリたちに同行する。しかし、この首都行きがキーリたちや、ベアトリクス、ヨアヒムに思わぬ運命をもたらして……。 電子特別版には、2006年発売の『電撃BUNKOYOMI』掲載短編「『キーリ』ほのぼの園児劇場 ようちえんじエフィーくんの純情」も追加収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あおでん@やさどく管理人
19
表紙の通り、ヨアヒムとベアトリクスの物語が影のメインといってもいいかもしれない。ベアトリクスの幸せだった過去と明かされるハーヴェイとの関係、終わりを迎えてやっと気付いたヨアヒム自身の思い。最終作、穏やかにみんなで帰ることはできるのだろうか…。2015/10/15
ひなた*ぼっこ
16
物語が終わってしまうのが嫌でしばらく積読してたけど読み始めた。キーリ作品は主要キャラが別行動しがちで誰かしら消息不明だったりしてたから皆出てくるの嬉しい。終幕感強いのは切ないけど割りとすき。2019/05/11
まいまい
7
再読。17歳になったキーリにハーヴェイは言う「みんなで帰ろう」。キーリの父親登場。首都では不死人のできそこないたち大暴れ。本当にみんなで帰れたらいいね。下巻へ。2020/06/11
みずあや
7
変わりたくない終わって欲しくない時、そういう時が自分にもあったのでキーリの願いに本当に共感しました。でもいつか終わる時が来る事をもう知っている自分がいて、だからキーリにもちゃんと前に進んで欲しいなと思いました。このシリーズ思うことがありすぎてうまく感想書けないです(><)2014/10/19
みやち🐹
5
再読。ついに始まってしまいました最終章。カラー絵のベアトリクスが美しいんですよね。天使と称する気持ちがよく伝わってきます。ヨアヒムとハーヴェイを分けたものって本当にささやかでそれでいて大切なものな気がします。優しさや暖かさなど、多くの言葉には出来るけども自分にも他人にも力となるために必要なそんな何か。ヨアヒムも持ってないわけじゃなかったんだけどなあ。本当に教会が犯した罪は重いですよ。理不尽な状況の中、それでも戦い続ける彼らの姿はかっこいいです。いざという時に仲間と一緒に戦えるそんな人間になりたいものです。2018/12/29