内容説明
原書は昭和50(1975)年刊。民衆の暮らしを記録しつづけて全国各地をめぐり歩いた宮本常一にとって、京都は、若き日から何回訪れたか思い出せぬほどの所であった。本書には、大正15(1926)年、師範学校時代に恩師に案内されてあるいたときの回想から、昭和49年まで、さまざまな機会に訪れた折々の見聞がつづられる。京都の町を支えた地方民衆・京都町民に視点をおき、絵巻物や文献資料による説明を加えて、写真263枚とともに宮本独特の記述スタイルで構成した洛中洛外紀行。
目次
1 三十三間堂
2 清水付近
3 祗園付近
4 岡崎
5 詩仙堂・曼珠院
6 修学院
7 京都国際会館
8 大原
9 東寺
10 本願寺
11 本圀寺
12 六角堂
13 二条城・神泉苑
14 京都御所・相国寺
15 下鴨
16 京の町家
17 桂の町
18 桂離宮
19 天竜寺
20 嵯峨野の寺
あとがき
解説 宮本常一が歩いた京都(内田忠賢)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
26
さすが京都。◇このシリーズの刊行は50年前、離島の巻も山村も郊外も、写真に写る風景や人は今はなき日本のものだけれど、この巻だけは違う。今日のものといっても通用しそうに思える。しかも宮本は文章では、さらに50年前の青春時代に恩師と訪れた経験を思い起こしたりしている(おもしろい!)のだ。何てタイムカプセルぶり。◇でも、そうして守ってきたのは町衆。その力とモチベーションに注目するのはやはり宮本。◇明治初年に町衆の力で作られた京都の小学校にも注目。教育社会学で後年注目されるようになったものなのに、さすがの炯眼だ。2017/03/01
KAZOO
24
ここに掲載されている京都というのは情緒があり何かしら懐かしい気がします。1960年代の写真が多く、寺社や観光地も多いのですがあまり人が多く映っていないので静かな感じがします。京都にいる人には申し訳ないのですが、最近の京都はきんきらきんで自分としてはあまり行く気がしません。奈良のほうが昔の京都に近い感じがします。2014/09/19
HANA
3
旅する民俗学者が京都について語ったもの。エッセイだがやはり学者らしい目の付け所が多く、楽しんで読めた。例えば今日の民衆と宗派の関係や桂女、大原女。町家や地方を回ったときの京都との関連性など。60~70年代の写真が多く掲載されているが、ほとんど変っていないところ、名残もないところ、妙な感慨に襲われた。2010/07/18
徳島の迷人
0
宮本常一の京都の旅の思い出と民衆の京への想いについて。全国の民衆は武士よりも京都に帰依しており、江戸なんぞより京都や伊勢に参りたいという人が多かった。様々な宗派の総本山があるし天皇は文化や民衆の中心である。京都人は飢饉や戦乱で不遇の時も多く周辺の田舎が無いと成り立たないが、町人という役を担ってもてなした。京は武士のものではないから徳川家が建てた二条城しか防備施設が無い。心情を表すために発展した公家と大衆に使われた仮名。対照的に禅は武家に支持されていたが、まるで今のビジネスマンに受けるのと同じように感じた。2021/08/28
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