内容説明
原書は昭和45(1970)年刊。生涯にわたり全国を歩きつづけた宮本常一の旅のなかで、佐渡は初めて渡った昭和33年から逝く前年の55年までの間、ひときわ足繁く訪れた所である。農業指導や民具収集・民俗芸能の復興などを通して経済的自立と生活文化への自信と誇りを説き、志ある島内外の人とともに佐渡の地域振興に力を注いだことによる。九学会連合の調査に参加した昭和34・35年、山中・海岸はじめ到る所で寸断された道をこえて島めぐりをした旅で、観光の島とされるなかで忘れられた集落の多いことに心をいため、その後毎年のようにかよった旅でも、どうすれば島全体を活性化できるか問いつづけることになる。昭和41年まで12回の渡島を綴った佐渡一周紀行。宮本の旅の視点をよく物語る写真283枚。
目次
1 国中
2 国中の農村
3 国中の社寺
4 高千付近
5 真更川・大野亀
6 願から北小浦へ
7 真野から小泊へ
8 小木
9 小木岬
10 羽茂
11 赤泊
12 徳和
13 野口家
14 川茂・天狗塚
15 多田から豊岡へ
あとがき
解説 佐渡と宮本常一(池田哲夫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
26
「多少未熟と思っても、…書いてみると問題が発展してきます。ですから勇気を出して、ぐんぐんお書きになる事が大切です」後書きで引用された、佐渡在住の民俗研究者への手紙の一節。今の自分に思いっきり、ささった。◇畜産や園芸農業、新漁法に文化復興と、佐渡のあちこちの村でそれぞれ取り組む人々に対して、宮本はその課題を聞き、こうしたアドバイスを語る。数十回の佐渡訪問を通じてのその姿が辿れるのがいい。奮闘してた農家を数年後訪れた際に、その家が新築されてるのを見て喜んで…。それにしても、日本人の暮らしは良くなったのだなあ。2014/08/18
KAZOO
16
佐渡については行ったこともないのでどのような島かはまるっきりわかりません。地図が挟み込んであるのでそれと写真を見ながら、50年前の佐渡をめぐってみました。結構大きな島で金山があったために結構昔から人が多かったような気がします。このシリーズの本を読んでいるとタイムスリップを経験している感じがします。2014/08/15
aki
5
1960年頃の佐度を歩いたり調査した際の雑記という感じ。写真が豊富で当時の生活が伝わる。 おけさ柿の栽培を成功させ活気のある羽茂村のようなところもあれば、経済成長から取り残された寂しい村もある。寂しい村の方が印象に残る。2025/07/26
いすか
1
昭和45年(1970)同友館刊の『私の日本地図7 佐渡』が原本である。付録に佐渡地図。誤植・誤記等を訂正、写真の撮影年月日を追加。1959年の調査を中心とする、民俗学的視点から見た佐渡一巡の記録。2018/08/15
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