内容説明
聖なる夜。届かぬ想い、かなわぬ祈り。
もうすぐクリスマスがやってくる。
小さい頃はプレゼントがもらえる日だったが、いまはもうそんなことはない。
何より、願うことも、欲しいものもなくなってしまった――。
生徒会長選挙の日以来、何かが決定的に終わってしまった関係を引きずりながら、逃げ出さないため、ただそれだけのために部室に集まる八幡たち。
そんな折、新たな依頼を持ち込んだのは、先の選挙で生徒会長となった一色いろはだった。
他校との合同のクリスマスイベントを手伝って欲しいという依頼に対し一人で行動しようとする八幡。
しかし、一筋縄ではいかない依頼に、事態は次第に悪化していく……。
気付かれず、心の奥にしまわれる想い。叶わぬと諦めてしまった祈り。聖なる夜に、もし、願うことがあるならば――。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いーたん
203
やっぱり、これ面白い。平塚先生は変わらずいい女だ。煙草やめてくれたら嫁さんにしたい。一色、あざと可愛いが癖になる。 奉仕部の関係もすっきりしてきたし、あとは三角関係の精算と葉山か?あと、早くアニメの第二期観たい!2014/05/01
ふく
177
非りあ充さんによる願望充足のお話。と思っていたのに、すっかりりあ充様となられてしまわれて。感慨深いものです。イベントに向けた会議のぐだぐだ感は身につまされます。ビジネス書的なケーススタディとしても優秀なのではないかしら。いろはすさん平塚先生川なんとかさんあーしさん海老名さんルミルミとヒロイン揃い踏みですが、意外と折本さんの距離感がいいなあと思いました。まじウケるー。2014/04/20
shin
171
表面上元通りの奉仕部に会長になったいろはから他校との合同イベントの依頼がきて、負い目から八幡単独で助っ人に動く9巻。腫れ物に触らないような3人のやり取りにじりじりするも、八幡の「本物がほしい」という吐露からそれぞれの本音がより伝わるようになり、いろはや雪乃に予想外の行動をさせるような影響を与えながら関係が確実に進展し始めた感覚が印象的。大切に思うからこそ傷つける覚悟、一緒に傷つくなら傷ではないかもと色々気づかせてくれる平塚先生の言葉も胸にしみた。相手を想う否定の先にある本物の可能性を感じられたお話でした。2014/04/26
よっち
155
上辺だけの雰囲気に違和感を感じながら、変えることができない八幡。それを雪乃に突きつけられ、八幡は自分がどうしたいのか考えに考え抜いた末に、ついに二人に助けてくれるよう依頼し、その本音を吐露しました。間違うこと、悩むことを否定せず、背中を押してくれた平塚先生の存在はとても大きかったですね。その一歩を踏み出したことで、彼らが戸惑いながらも、本音をぶつけ合えるようになって良かったです。二人が引き受けた依頼は簡単に解決しないと思いますが、明確に提示されたからこそ、このリスタートには大きな意味があったと思いました。2014/04/17
sskitto0504
150
ここ何巻か続いていた重い空気がやっと少し解決した。 今まで続いてきた奉仕部の活動をしっかりと踏まえての今回はとても読んでいて楽しかったし、やっと等身大の八幡に戻ったかなと。 あとは雪乃と葉山、今回出てきてない陽乃関係でしょうかね。 八幡は雪乃を助けれるか?そろそろ終わりも見えてきてる感じはあるが、最終巻とアニメ2期の終わりを同じ時期に揃える手法はやめてほしいなあ。2014/05/08