内容説明
築地の采女ヶ原馬場(うねめがはらばば)で中年の浪人が殺された。南町奉行所隠密廻りの乾蔵人は吟味方与力の秋山久蔵(あきやまきゅうぞう)から命令を受け探索を始めた。事件の背後に浮かんできたのは、将軍家に関わるとされる一通の置文の存在だった。書いたのは、老中田沼意次(おきつぐ)。文に書かれていた中味とは、そして、文を巡る暗闘の結末は――。心優しき凄腕隠密・乾蔵人が闇を裁く大好評のシリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ベルるるる
22
事件が解決しても、読後感に救いがない感じがする。きっとそれは蔵人に、自分の人生がないからだと思う。命じられた事を命をかけて・・・というか命を捨てて探索する。そしてその後は二度とかかわらない。いつも孤独でいつも壮絶。面白いけど、読んでて辛い事が多々ある。2017/01/10
ひかつば@呑ん読会堪能中
8
シリーズ第2弾。今回は2人だけの孤独な探索だけでなく、チラリとだが柳橋の弥平次ほか秋山久蔵お馴染の面々が登場し手を貸してくれたのは嬉しいな。しかし最終話、表題の「田沼の置文」はまったく趣の異なる展開で隠密廻りとは思えない結末だった。まぁ面白かったからいいとしよう。 2013/10/24
sken
6
でもって、そのシリーズの第二弾です。他のシリーズとの差別化を図るためだとは思うんですが、主人公及びその手下、さらに悪人などがとにかく嘲笑します。朝な夕なに嘲笑します。夜も日も明けずに嘲笑してます。見開き2ページで5回くらい嘲笑したりすることもあります。なんかいったんそんなことを考え始めると、話の筋は放りっぱなしで、ひたすら嘲笑をコレクションしたりする自分が大人げないとは思いますが……もうちょっとなんとかやりようがなかったんかなぁ。結構好きな作家さんだけに残念な気分でございます。2013/07/08
お華
5
★★.5隠密廻り同心の乾蔵人が主人公の三編♪初藤井さんです。ストレートな時代小説でしたね♪2013/04/06
まこ
3
最初と次の話は悪行と関係なかったはずなのに、悪行に関わってしまった人たちの話。乾さんはその人たちに同情はするけど、情けのお裁きができないもどかしさ。最後の話は闇に葬るべき真実の話、なんか、「葬らないといけない」って乾さんの行く末を描いているような気がしてくる。2013/09/15
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