内容説明
参拝客で賑わう浅草寺。群衆にまぎれ竜吉は、密かにご本尊を奪うことを考えていた。それも、いま開帳されている前立本尊ではなく、絶対秘仏とされる黄金の観音像を。その企みを見透かした大物盗人の銀蔵が、竜吉に先んじて本堂に忍び込む。だが、翌日銀蔵は何者かに斬られてしまう。黄金観音の行方は!? 切れ者の同心・尾上源蔵が辣腕を振るって、謎を解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やま
98
人情同心神鳴り源蔵シリーズの1作目。 2012.12発行。字の大きさは、小。 盗賊は、定町廻り同心・尾上源蔵を称して腕利きだが、それより、あの男の持つ不思議な魅力だ。あいつの目には男でも惚れ惚れするような色気があるという。 源蔵は不思議な男である。いかつい顔で、神鳴り源蔵といわれるほどに悪人からは恐れられている男なのに、源蔵に捕まった者たちはみな源蔵を慕っている。 その源蔵は、扇問屋・一扇堂の娘・加代が失踪した事件を調べている。 加代の行方は…2019/12/22
とし
25
人情同心神鳴り源蔵シリーズ1巻、盗賊の竜吉が主役で文太親分の働きが頭に残るような展開、主人公源蔵は要所はしっかり締めているのだが自身の派手な動きがないのでちょっと物足りないか。しかし物語としては面白かった次巻を期待。2013/10/15
あかんべ
6
竜二と源蔵。やっぱり源蔵には勝てないか。2015/04/30
ひかつば@呑ん読会堪能中
5
一人働きの盗人竜吉が狙うのは浅草観音様の御本尊と親分を捕えた敵、同心の源蔵。竜吉の長屋に住む浪人も怪しい動きを見せるなか、竜吉が慕う人間が殺され、てな始まりで進む物語だが、どうも源蔵の動きは描き方が中途半端で最後まですっきりしない。むしろ竜吉主役で纏めちまった方が面白かったかもしれない。2013/05/06
sken
4
人情同心とシリーズ名にあったので、わりと市井に生きる人の営みとかをわりと優しい目で見つめつつ悪を正す! みたいなもんを想像していたのですが、あんまりそんな感じもせずに、小悪は見のがしてホントに悪いヤツをなんとなく追い詰める……ってところですか。盗人の竜吉は多分今後もシリーズキャラとして出すためにか、やたらと彼目線が多いのですが、肝心の誰が悪でどう裁いてみたいなところがあんましスッキリとしませんでしたぃ。剣戟シーンも控えめで、あんまり印象に残る作品とはなりませんでした。2013/03/12