内容説明
夏は、まだつづいていた。終わらない、ぎらぎらとした日差しが健一を照らし続ける。陽炎が立ち上る道は、どこか現実ではないような、白昼夢のようなけだるい感覚を起こさせる。こころが、どこかに行ってしまった――。そしてホタルも――。健一は、思った。それは、自分の所為かもしれなかった。ホタルと健一は、お互いを求め合った。ただ、本能の赴くままに。好きという自分たちのこころに、素直に従っただけだった。だが、それは、二人の別離へとつながっていく。少しずつ変化していく健一の日常。そして新たにシーナと名乗るマンションの鍵の所有者が現れる……。時に可笑しく時に切なく描かれる、恋と愛との間で揺れ動く健一の物語、第四弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソラ
7
【読メ登録以前読了作品】 内容(「BOOK」データベースより) 夏は、まだつづいていた。終わらない、ぎらぎらとした日差しが健一を照らし続ける。陽炎が立ち上る道は、どこか現実ではないような、白昼夢のようなけだるい感覚を起こさせる。こころが、どこかに行ってしまった―。そしてホタルも―。健一は、思った。それは、自分の所為かもしれなかった。ホタルと健一は、お互いを求め合った。ただ、本能の赴くままに。好きという自分たちのこころに、素直に従っただけだった。だが、それは、二人の別離へとつながっていく。少しずつ変化して2007/05/23
Merino
5
『先に音を上げたのは 、蛍子の方だった 。』前巻の引きからすると最高の入り方だった。なのに...すぐにどん底に突き落とされる。超キツい。だけど前巻で既に未来への希望の種が示されていたのを思い出してすぐに悲観は消えた。/新住人追加、双子美人姉妹の妹。こちらもかなり歪んでて面白くなりそう。2018/07/27
ソラ
3
【再読】2021/05/03
加賀ますず
3
誰かの好きと自分の好きは違う。自分が人とは違うことは分かっていながら、そのことにどう向き合えばいいのか分からない。剥き出しで赤裸々でみっともない青春の一つの形が力を持って読者の脳内を揺らす。個人的に綾さんぐらいの距離感がベストオブベスト。2018/03/22
ウラー
2
★★★☆☆前巻ラストで爆弾が爆発したと思ったがまだまだ上があった。読みはじめていきなり、姉とセックスしてるところを親に見られるというヤバイ事態が勃発。家族会議どころか顔も会わせられない。/主人公の考えがわからない。思考の一貫性とか、行動方針とかが見えてこない。/登場人物の出番がないと殺される作者。あと何度死ぬのか2016/09/27