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内容説明
【無料試し読み閲覧期間2022/5/13~2022/5/26】
この世はヒト知れぬ生命に溢れている――。動物でも植物でもない、生命の原生体――“蟲”。それらが招く不可思議な現象に触れたとき、ヒトは初めてその幽玄なる存在を知る。蟲とヒトとをつなぐ存在――それが“蟲師”たる者。アフタヌーン・シーズン増刊から生まれ、アフタヌーン本誌の大人気作ともなった作品、待望の単行本第1集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲンショウ
110
大分前に古本で購入。やっと拝読。迷信とは、市井の哲学では無いのか…?と感じる。一切皆苦…活きる事は苦しい。でも、活き、生かされる命の在り様を考えた時。不思議で不可思議な、心躍る事を想う位の楽しみは、許されて云い様な気がする。そんなもの共、事々に物語と意味を与えたのが迷信で在り、科学なのでしょうね…。緑の座と旅する沼が好きです。2013/03/30
ひのしず
87
青くて鮮やかな雰囲気、落ち着く。2014/09/08
kanon
76
色々な媒体で少しずつ触れてはいるけれど、しっかり読むのは初めてである。この作品はゆっくり読み進めるのが合っている。この作品に漂う静寂、そして生命の根源と言うか真理みたいなものが、”蟲”と言う概念が、描かれる緑が、水が、どこか読み進める速さを緩めるし、緩めなければならないと言う気分にさせるのだ。絵の具で描かれた様な絵も本当に見惚れてしまう程であり、これらも余す事無く眺めていきたいと言う気持ちもある。まるで美術館にある絵画の様に。この作品を読んで、何かを感じたい、考察したいのである。最悪理解出来なくても良い。2014/03/27
苺
56
「蟲」と呼ばれるものが引き起こす不思議な事象に「蟲師」のギンコが対峙する物語。この「蟲」という設定が面白い。動植物や自然現象に似たものも居り、生と死の間にたむろし、人とは在り方を異にしながらも人とは切っても切り離せぬ存在。ハイファンタジーな世界観でありながら妙な説得力があるのは、古き良き日本の精神を巧みに取り込んでいるからだろうか。描いたものに命を宿す少年、音を喰う角、夢と現を繋ぐ枕、目玉を殺す暗闇、旅をする沼。文学的で穏やかでありながらどこか物哀しい雰囲気に魅力された。自然っていいなぁ…田舎に住みてぇ。2019/12/01
眠る山猫屋
52
再読。緑に噎せかえるような山奥をひとりさ迷うギンコを想像するだけで、なんだか魂が引っ張られるような気がしてしまう。妖怪とは違う、それでいて未知なる存在の蟲。生き物全ての根源に近いもの。『緑の座』と『枕小路』が特に好きな物語。2016/08/04