内容説明
北嶺の武勲で少佐に昇進した新城は皇都に蠢く大貴族の政争の駒となって、皇主に奏上する栄誉と引替えに近衛とは名ばかりの弱兵部隊への転属を命じられた。練兵の間もなく決戦の時は来た。湾を埋め尽くす帝国軍の大上陸部隊を、興廃を賭して皇国軍主力が迎え撃つ。訓練不足の近衛鉄虎兵大隊を率い新城は波打際の最前線に血路を拓く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まんじぃ
5
この巻から未知の展開になるのだが、なかなか漫画にはし辛いエピソードだったかもしれない。俊兼との対比、近衛衆兵鉄虎第五〇一大隊の構築に続いて予定よりも早い帝国の強襲。自分の組織を緩い制約のみで作り上げるのは楽しそうだ。素人考えにもラストでそのまま司令部を強襲した方が勝ちの目が見えることと思うのだけれども、それを行わない新城にはやはり、というかもったいないというか。2012/02/12
ぺぱごじら
3
最初に読んだのがこの時期で、以下中身を諳じるほど再読してますが、勤め人としてホントに身に詰まされるなと思うのが三巻と四巻。特に最善を知りながら最善を選択できない身の上をとことん思い知らされ、暗い野心を抱くくだりは最高。2004/02/21
カモメの本棚'10
2
新城少佐の新たな部隊での活躍が始まる。しかし彼は、どこに行っても彼なのだなと。 読めば読むほど「魔王ですら、そんな奴は知らぬと否定するかもしれぬ」「邪悪にすら見え」る新城少佐がクセになる。2015/01/11
ほぅ子
2
新しく加わった美しい副官や、口の悪い部下。再登場となるかつての戦友、知り合った天竜。そして何といっても、プライドの高い権力者と真面目だが足を引っ張るバｋ…じゃなくて古馴染み。それぞれの人物に物語や性格があって、理解できるものの……「あ、このバカやりがった！」と歯噛みしてしまったｗｗｗそれでも、その不愉快を拭い去るように、全員が苦しい状況の中で、笑って終わったのがよかったですね！2012/11/18
エラリー
2
帝国の本土侵攻に対するため、近衛隊を率いて戦場に向かう新城少佐。軍事的天才により敵を追い詰めながらも、味方に足を引っ張られて窮地へ。それでもヤケを起こさず「最悪の中の最善」を求める精神に憧れる。決して剛胆でも冷徹でもなく、卑しい小心者なだけになおさらカッコいい。2012/04/09
