出版社内容情報
神獣の麒麟が王を選ぶ十二国。戴国(たいこく)の麒麟は、正しい王を見定めることができるのか。
幼(いとけな)き麒麟に決断の瞬間が訪れる──神獣である麒麟が王を選び玉座に据える十二国。その一つ戴国(たいこく)麒麟の泰麒(たいき)は、天地を揺るがす<蝕(しょく)>で蓬莱(ほうらい)(日本)に流され、人の子として育った。十年の時を経て故国(くに)へと戻されたが、麒麟の役割を理解できずにいた。我こそはと名乗りを挙げる者たちを前に、この国の命運を担うべき「王」を選ぶことはできるのだろうか。
十二国記シリーズ
魔性の子
月の影 影の海〈上〉
月の影 影の海〈下〉
風の海 迷宮の岸
東の海神(わだつみ) 西の滄海
風の万里 黎明の空〈上〉
風の万里 黎明の空〈下〉
丕緒(ひしょ)の鳥
図南(となん)の翼
華胥の幽夢(ゆめ)
黄昏の岸 暁の天(そら)
白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 第一巻
白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 第二巻
白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 第三巻
白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月 第四巻
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミュポトワ@猫mode
655
十二国記のエピソード2です。ええ、もうね、言わずもがなな感じでとんでもなく面白いのですよ! 本の分量としては少なくないページ数なのですが、面白くて一気読みですよ! 面白すぎて、電車の中でも熱中してしまい目の前に会社の課長が立っているのも気がつかないくらい、没頭しましたわwww そのくらい、この十二国記は面白いです! 私はエピソード0から順次読んでいますが、それでもちゃんと楽しめますよ 読後感も最高に良いので、再読したくなりますから! ただ、相変わらず、解説には恵まれませんね… 解説は読まないこと推奨です…2018/07/05
パトラッシュ
622
蓬莱で人の子として育った泰麒が蓬山へ戻り、ほぼ人間のまま王選びの大任に就かされる。艱難辛苦を乗り越えて王位に立った陽子とは逆に、ほとんど甘やかされながら果たさねばならない恐るべき義務に直面し、王気や天啓の意味もわからぬまま必死に麒麟としての役割を模索するという、十二国記世界で最も不可解で謎に満ちた設定が正面から描かれるドラマとなる。『魔性の子』で高里として人間界へ戻り巨大な破滅に遭遇し、正邪を超越した不条理の象徴である泰麒の大いなる出発点であり、無知なまま異世界へ放り込まれた少年の成長小説にもなっている。2023/05/30
南北
564
再読。冒頭は「魔性の子」と同じシーン。今回は「魔性の子」から順番に読んでいるので、「魔性の子」の高里が神隠しにあっていたときの話だとわかりました。高里=泰麒は麒麟であるため、女仙たちに大切に育てられています。最後にはどちらもできるようになるのですが、麒麟の姿に変わることもできず、麒麟ならわかるはずの王を選ぶこともできずに苦悩します。悩みながら成長する泰麒の物語が優しく語られています。麒麟が王を選ぶときにこの人物はダメだと思いながら、選ぶこともあるというのは民主主義の選挙にも似ていると思いました。2019/07/05
白いワンコ
410
王と麒麟の関係性を『十二国記』メインストリームといえる泰王、泰麒を介してつまびらかにしていく本作。経験の足らない麒麟の葛藤と罪は何とも切ないものの、そのぶん王と出逢うことの有り様が明かされる結末部が胸を打つ。「ほかの者とは明らかに違う」際立った王気。「王と麒麟は離れてはならないもの」とは、他者との関係性で現代を生きる者にも、強い勇気を与えてくれる2019/11/20
はじめさん
352
2020年2月16日(日)11:30- 高松市郊外(高松中央IC下車7分)にて、#十二国記 「風の海 迷宮の岸 」にて読書会を開催します。昨年も2月の祝日「建国記念の日」にあわせて一作目の「月の影 影の海」で開催しました。令和2年、弘始元年! https://bookmeter.com/events/7139