【書評空間】 『カブラの冬-第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆』藤原辰史著
書評者 早瀬晋三(大阪市立大学教授)※「書評空間」2011年2月8日より 著者、藤原辰史は悩む。世界全体で飢餓人口9億2500万と試算される現状のなかで、「ヨーロッパの一国が一時期体験したにすぎない飢餓の事実は読者の目にあまりに小さく映るのではな…
2011.03.05 人文
【書評空間】 『トモスイ』高樹のぶ子著
書評者 阿部公彦(東京大学文学部准教授)※「書評空間」2011年2月1日より「高校生の危険な読書」 筆者は某高校国語教科書の編集委員をしている。この委員会をまとめる隊長役の編集者の女性はまったくもって体育会系のひとで、朝五時半に起きてぴょん…
2011.03.05 受賞作品
【書評空間】 『フェイスブック 若き天才の野望』David Kirkpatrick著
書評者 原正彦(東京工業大学大学院教授)※「書評空間」2011年1月31日より「Friends, Lovers or Nothing」「今は大丈夫なのね?」とKaren Juliet Aubreyは聞く Brian Bruce Robins…
2011.03.03 社会
【書評空間】 『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ著
書評者 石村清則(パリ国際学校国際バカロレア日本語学科教師)※「書評空間」2011年1月24日より「人間の究極のエゴイズム」 作年末はフランス西部のブルターニュにある漁港で過ごした。温和な気候で知られる町だが、新鮮な魚が手に入るのは嬉しい。どんな…
2011.03.03 受賞作品
【書評空間】 『小銭をかぞえる』西村賢太著
書評者 津田正(編集者)※「書評空間」2008年10月20日より「劇画時代の私小説」 「私小説界の救世主」などとも言われる西村賢太については、この「書評空間」でも阿部公彦氏がこの作家の本質を見事に切り取っているので、筆者が屋上屋を架す必要はな…
2011.03.01 旬な人