早瀬晋三 評 『最後の戦犯死刑囚-西村琢磨中将とある教誨師の記録』 中田整一著 【プロの読み手による 書評空間】
書評者 早瀬晋三(大阪市立大学教授)※「書評空間」2011年7月19日より 1951年6月、赤道直下の現パプアニューギニアのマヌス島で、元近衛師団長の西村琢磨中将は、最後の戦犯死刑囚として絞首刑にされた。身に覚えのない罪状にもかかわらず、「一人でも…
2011.08.01 くらし まなび 社会 戦争 戦犯
早瀬晋三 評 『アメリカの影のもとで-日本とフィリピン』 藤原帰一・永野善子編著 【プロの読み手による 書評空間】
書評者 早瀬晋三(大阪市立大学教授)※「書評空間」2011年7月5日より 本書は、研究プロジェクト「アメリカの影の下で-日比両国における対米認識と社会形成の比較研究」の成果として提出された英文論文から選んで、翻訳したものからなる。このプロジェクト…
2011.07.28 くらし 人文 社会 アメリカ ナショナリズム フィリピン 国交 日本
四釜裕子 評 『色へのことばをのこしたい』 伊原昭著 【プロの読み手による 書評空間】
書評者 四釜裕子(編集者)※「書評空間」2011年7月4日より「超絶文系日本色見本帳」広島の厳島神社を訪ねた昨秋、ちょうど引き潮で大鳥居まで歩いた。夕焼けに映え、暮れゆく闇に沈む鳥居は美しく、鹿にいたずらされながら石垣に腰掛けてずっと見ていた。鳥…
2011.07.25 くらし アート 文学 日本 色彩 風土
辻泉 評 『必要か、リニア新幹線』橋山禮治郎著 【プロの読み手による 書評空間】
書評者 辻泉(中央大学文学部准教授)※「書評空間」2011年6月30日より「今、求められるべき思考法を教えてくれる良書~リスク社会論の実用的な好例として」 いい本に出会ったと思った。論ずべきテーマについて、今まさに求められるべきスタンスから論じ…
2011.07.22 くらし 社会 リスク 技術
石村清則 評 『風味絶佳』山田詠美著 【プロの読み手による 書評空間】
書評者 石村清則(パリ国際学校国際バカロレア日本語学科試験官)※「書評空間」2011年7月12日より「詠美ワールドの魅力」 死ぬ気で努力すれば近いものが書けるかもしれないと思う作品と、どんなに努力してもこれは書けないと思う作品がある。私にとって…
2011.07.19 エンタメ 文学 売れてる! 映画・ドラマ化 山田詠美
阿部公彦 評 『アメリカ音楽史―ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』 大和田俊之著 【プロの読み手による 書評空間】
書評者 阿部公彦(東京大学文学部准教授)※「書評空間」2011年7月4日より「ポピュラー音楽はすでに伝統芸能か?」 タイトルだけからすると正統派の音楽史だが、実際にはなかなか強烈な〝斜めの目線〟を隠し持った本である。 音楽批評はしばしば「そ…
2011.07.14 くらし アート 社会 音楽
石井政之 評 『友がみな我よりえらく見える日は』 上原隆著 【プロの読み手による 書評空間】
書評者 石井政之(フリーライター)※「書評空間」2011年7月8日より 「学歴を捨て、故郷を捨て、月給生活を捨て、有名であることを捨て、妻子を捨てて・・・」 名作である。何度読んでもじんとくる。少なくとも私にとってはそういう本だ。 早朝、そ…
2011.07.11 くらし 社会
石村清則 評 『アスペルガー症候群』 岡田尊司著 【プロの読み手による 書評空間】
書評者 石村清則(パリ国際学校国際バカロレア日本語学科試験官)※「書評空間」2011年5月30日より「アスペルガー症候群は天才予備軍」 ある時、試験問題を作っていると、学校のスクールカウンセラーからメールが届いたことがあった。ある生徒の試験問題…
2011.07.10 くらし 人文 社会 アスペルガー症候群 コミュニケーション
近代ナリコ 評 『ザ・ママの研究』 信田さよ子著 【プロの読み手による 書評空間】
書評者 近代ナリコ(文筆家・『modernjuice』編集発行人)※「書評空間」2011年6月29日より 先日観た映画〈ブラック・スワン〉は、「白鳥の湖」の主役に抜擢されたバレリーナが、そのプレッシャーに絶えかねて破滅してゆくさまを描いたスリラー。…
2011.07.07 くらし こども 信田さよ子 家族カウンセリング 心理 母親
大串尚代 評 『親愛なるキティーたちへ』 小林エリカ著 【プロの読み手による 書評空間】
書評者 大串尚代(慶應義塾大学文学部准教授)※「書評空間」2011年6月20日より「これから生まれ来るキティーたちに向けて」 この本は旅をする。2009年の東京から、1945年を経て、1929年のフランクフルトと弘前へと。その旅の途中で訪れる場…
2011.07.04 人文 文学 社会 ロングセラー アンネフランク