【書評空間】 『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』 エーコ&カリエール著
書評者 加藤弘一(文藝評論家)※「書評空間」2011年4月18日より 記号学者ウンベルト・エーコと脚本家ジャン=クロード・カリエールが本に関する蘊蓄をかたむけた対談本である。 ジャン=クロード・カリエールについてはピーター・ブルック一座の座付作…
2011.04.25 アート 文学 本 電子書籍
【書評空間】 『おとなの味』平松洋子著
書評者 近代ナリコ(文筆家・『modernjuice』編集発行人)※「書評空間」2011年4月9日より 大人の味といえば、苦みや辛みやえぐみ。大人になってはじめて知るおいしさは、誰にでも思い当たるはず。ここにも、子どものころはむしろ遠ざけていた山菜…
2011.04.20 くらし こども なごむ エッセイ 食
【書評空間】『東京裁判-性暴力関係資料』吉見義明監修、内海愛子・宇田川幸大・高橋茂人・土野瑞穂編
書評者 早瀬晋三(大阪市立大学教授)※「書評空間」2011年4月12日より 「本資料集は、極東国際軍事裁判(以下東京裁判と称す)において、国際検察局(International Prosecution Section, IPS と略)が、日本軍…
2011.04.20 人文 社会 東京裁判 歴史
【書評空間】『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ著
書評者 勝田有子(精神科医)※「書評空間」2008年2月15日より1960年神奈川県小田原市生まれ。早稲田大学フランス文学科中退。順天堂大学医学部卒業後、日本医科大学助手を経て、積善会曽我病院勤務。1998年から2005年まで、ニューヨークの The …
2011.04.18 文学 メディアで紹介 売れてる! 映画・ドラマ化
【書評空間】 『ビリジアン』柴崎友香著
書評者 阿部公彦(東京大学文学部准教授)※「書評空間」2011年4月1日より「口の中がざらざらする小説」 夕陽と川べりと工場街を背景にした静かな世界である。だが、癒し系とも違う。セピア色の〝昭和〟な感傷にひたりたくなるが、それも違う。どこか…
2011.04.15 文学 売れてる!
【書評空間】 『歴史語りの人類学-複数の過去を生きるインドネシア東部の小地域社会』山口裕子著
書評者 早瀬晋三(大阪市立大学教授)※「書評空間」2011年4月5日より 実証的文献史学を中心とする近代歴史学は、国民国家の制度や文化の形成・発展に寄与し、国民意識を高めるのに貢献した。つまり、近代の歴史叙述は、おもに国民を読者対象とした。したが…
2011.04.11 まなび 人文 社会 地域 歴史 民俗
【書評空間】 『裁縫女子』ワタナベ・コウ著
書評者 近代ナリコ(文筆家・小冊子『modernjuice』編集発行人)※「書評空間」2011年3月29日より 細かい手順を大胆に省略し、初心者でも手早く簡単にできる「クイック・ソーイング」をあみだし、裁縫教室やテレビ番組で講師をつとめてきた著者…
2011.04.07 くらし おしゃれ なごむ やってみよう ソーイング 裁縫
【書評空間】 『ポスターを貼って生きてきた―就職もせず何も考えない作戦で人に馬鹿にされても平気で生きていく論』笹目浩之著
書評者 西堂行人(演劇評論家・近畿大学教員)※「書評空間」2011年4月1日より<劇評家の作業日誌>(54)」 おもしろい人間がいたものだ。"おもしろい"という言い方が乱暴なら、"よくぞこんな風に生きてきた人間がいたものだ"と言い換えてもいい…
2011.04.04 アート 社会 ポスター 人生 寺山修司 演劇
【書評空間】『大塚女子アパートメント物語 オールドミスの館にようこそ』川口明子著
書評者 近代ナリコ(文筆家・小冊子『modernjuice』編集発行人)※「書評空間」2011年3月20日より 同潤会によって建設された女性専用アパート、大塚女子アパートメントの軌跡をつづる本書。 その設立は1930年。地上五階、地下一階、…
2011.04.01 くらし まなび 社会 同潤会 女性 建築
【書評空間】 『老いの才覚』曽野綾子著
書評者 今井顕(ピアニスト・国立音楽大学大学院教授)※「書評空間」2011年3月21日より 今、評判の本だ。書評を通じて本好き諸氏の興味を刺激し、購入をうながすことなどまったく必要ないと思われるが、自分自身が「親の介護」という現実にどっぷりはまっ…
2011.03.28 くらし 社会 ロングセラー 売れてる! 介護 高齢化