内容説明
右大臣の子息・藤原祐実が参内することになり、上昇志向が強い美貌の伊予命婦を筆頭に宮中は色めき立つ。ところが秀才と名高い祐実は思いのほか堅物で、中流貴族の一官吏にすぎない征礼を慕い、教えを請う変わり者。だが征礼には祐実に教えられない事情があった。「江内侍なら公卿の方々でも十分に狙えますよ」――征礼を軽んじる伊予に気分を害したコウ子は、一計を案じるが……? 身分不相応に取り立てられた者は、嫉妬されるのが世の常。頑なであろうとあさましかろうと、女の生き方は千差万別で本当に面白い。新キャラ登場でますます大騒ぎの平安宮中事件簿、第7弾!
目次
1章 新参
2章 着ダ政
3章 六条での失恋
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
34
「掌侍・大江荇子の宮中事件簿」第七巻。新しい登場人物、右大臣の息子の祐実と直嗣の対比がとっても面白かったです。直嗣の改心(?)の切っ掛けはわからないままだけど、こう子にとっては関心が薄いから深く描かれないのかしら。新登場した内裏女房の命婦伊予、この女の子がまた興味津々で眺めてしまいます。美人であることを鼻にかけてそれを武器に上昇志向、どんな結末になるのか色んな意味で楽しみです。続早く読みたいです。
坂城 弥生
31
伊予はインパクト大な女の子だけど私も苦手なタイプ…2025/08/16
よっち
30
秀才と名高い右大臣の子息・藤原祐実が参内することになり、上昇志向が強い美貌の伊予命婦を筆頭に色めき立つ宮中。新たな登場人物も加えて新たな騒動が起きる第7弾。思いのほか堅物で、中流貴族の一官吏にすぎない征礼を慕い、教えを請う変わり者の祐実。一方で身分の高い貴族の妾になることを目指し、征礼を軽んじる伊予の発言に気分を害し、密かに彼を助ける一計を案じる荇子。いろいろな考え方をする人がいることをしみじみと感じる展開でしたけど、日頃の行いの積み重ねが最終的に跳ね返ってくる必然の結末にはなかなか皮肉が効いていました。2025/05/19
はなりん
17
シリーズ7巻。今巻は宮中の派閥争いや政の重い感じではなく、伊予の命婦という女子に嫌われるタイプの女子にスポットが当たった巻でした。珍しい展開。麗景殿の女御の弟君や直嗣の従兄弟の公達など新キャラが登場したけど、コウ子の伊予への嫌悪が中々尾を引いていて、そちらの描写がメインだったので影が薄かった。そんな中でも直嗣は大分印象が変わってきた。最初はイケすかない坊っちゃんだったけど、憎めない感じになってきた。1人の女性に皆で嫌悪をあらわにしているより、凛とした仕事ができるコウ子さんが見たいかな。2025/07/21
ときわ
15
続きが出るか心配してたけど出て嬉しい。女たちの男性評あれこれ。ああいうシーンが源氏物語にありましたね~男たちの女性評。あれですね。伊予には最初辟易したけど、あそこまで吹っ切ってたら逆に応援したくなった。あの後どうなったのか今からもう知りたい気持ち。今回から登場した祐実(すけざね)はなかなか面白い人物。直嗣(なおつぐ)とは全く性格が違ってとてもうまく行かないだろうという感じだったのに、いろいろあっていい組み合わせになりそうだ。こだわりが強すぎる人と、他者が自分に悪意を持つことを思いつかない人。楽しみだ。2025/05/23
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