内容説明
渤海は滅亡し、契丹では皇帝・耶律阿保機が暗殺された。激動の中、契丹国皇后・月理朶は、弟の堯骨を皇帝にするために、突欲に東丹国の統治を命ずるのだった。一方、新たなる渤海国の復興のために、明秀は安東勇魚たちとともに、東日流軍を率いて契丹国に抵抗し続けていた。突欲と明秀は、それぞれの野望と覚悟を持って再び闘うことになるのだが……。大好評の大長篇伝奇ロマンシリーズ第六弾! (解説・細谷正充)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
37
「風の王国」第六巻。「隻腕の女帝」前巻で渤海国が滅亡し、これから再興と言う話になるのかなぁ…と想像を巡らせたけど、歴史的に渤海の名が再び現れることはないから、芳蘭の言う“女の戦い”で繋がってゆくのかな?国とは何かと言うことを考えさせられる。悪役の一人だった建部清瀬麻呂も国の政策によって大陸に送られ、取り残された日本人の末裔であり、契丹によって操り人形にされた人物。最期は少し哀しかった(涙)。主人公の明秀の出番が少なすぎてなかなか感情移入出来ない。耶律突欲につい肩入れしそうな展開、次巻も楽しみ。2021/12/15
りー
20
東日流(つがる)と渤海残党の動きよりも、契丹内部の勢力争いの方が生き生きと書かれている。最初から契丹に狙いを定め、皇太子=突欲を主人公にした方が良かったのでは無いかと思ってしまう。第二王子の堯骨がとんでもない化物だということに、ようやく皇后=月理朶が気付いた。突欲がとっても可哀想になってきた。東日流は、正直もうはやく国へ帰りなよ😅と思う…。2023/08/17
みっちゃんondrums
4
北東アジアの覇権を争う壮大な話になってきて、あと4巻でどのように収拾をつけるのか。契丹国はこの先百数十年続くはずだから、やはり突欲と彼の息子がどう生きていくのかを読みたい。そして魅力的な女性たちがどんな行動を起こすのか、楽しみ。2013/03/17
kan
1
いよいよ後半の始まり。2015/05/09
シン
1
この巻を読んで初めて全10巻であることを知りました。あと残り4巻で話をまとめなければならないところですが、どのような展開になるのでしょうか?単に世界史の枠だけで見ると、渤海国は一度滅んだ後再興されたという史実はなかったはず・・・東日流国も日本に呑み込まれていく運命・・・大明秀の夢はどうなるのか?宇鉄明秀の思いは?2013/07/05