内容説明
フィールドワークで災難や殺人事件に遭遇する民俗学者が存在するのか? 蓮杖那智の助手・内藤三國は、毎度の無理難題、考察に翻弄され疲弊する日々。東北地方の山奥に佇む石仏の真の目的。死と破壊の神が変貌を繰り返すに至る理由。海幸彦・山幸彦の伝説と死者の胃の中の曲玉の関係。即身仏がなぜ塞の神として祀られたのかを巡る謎。孤高の民俗学者が奇妙な事件に挑む5篇を収録。連作短篇の名手が放つ本格民俗学ミステリ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
65
民族学者・蓮丈那智の民族学ミステリ第2弾。いつもはフィールドワークで事件に遭遇する那智と助手の三國だが今回は地元で起こる事件に巻き込まれていく。那智の授業を受けていた女子学生の不可解な焼死や学内にあるカルトサークルの不審死、そしてなんと気絶させられた那智が同業者の死体とともに車の中で発見される事件まで発生。事件の根底にある山奥の石仏や飲み込まれた勾玉、即身仏の祠などのディティールが面白く興味深い。そして相棒として頼りない三國をサポートする教務部のあの人も登場。民族学とミステリとのバランスが程よいシリーズ。2024/07/15
ひさか
20
小説新潮2001年3月号大黒闇、6月号死満瓊、10月号触身仏、2002年2月号御蔭講、8月号秘供養、の6つの連作短編を2002年8月新潮社刊。2005年8月新潮文庫化。加筆修正し、法月綸太郎さんの解説を付けて2024年4月角川文庫化。民俗学ばかりでなく、前巻と同様に警察が登場する事件が絡むところが、少し残念。民俗学ネタだけのチョイスもあっただろうに…。ラストで登場する新しい助手の佐江由美子はレギュラーになるのだろうか。これが気になる。2024/06/30
冬野
10
民俗学ミステリ短編の第二集。引き続き面白かった。狐目の男ってネームドモブかと思ってたら那智とも浅からぬ縁があったことに驚き。美味しい立ち位置のキャラだな…。硬派な雰囲気の中にほんの1ミリ程度ロマンス(?)要素があってこれ好きなやつ!と喜んでしまった。前巻よりエグい内容の事件が増えたり、まるで神のようだった那智が事件に巻き込まれてある意味人間味が増したり、各エピソードから変化も感じられた。三種の神器とかわらしべ長者の解釈が興味深い。誰も正解を知らない民俗学という営み、とても不思議な学問である。星:4.5/52024/06/30
ソラ
7
【読了】A 新潮文庫版でも読了済。民俗学と融合したミステリィとしてはこのシリーズが一番好きだった。2024/05/04
ドットジェピー
4
面白かったです2024/05/12
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