内容説明
ひたすら「カリメラ」のことを考えながら家路を急ぐ子どもを、雪ばんこ、雪童子らがつかさどる吹雪が襲う。春にむかう厳しくも美しい雪国の自然と、雪童子の友情の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
70
東北に住んでいる私にはイメージしやすい物語でした。暖かな地域に住む方には言葉だけでは伝わりにくいかもしれません。けれども、堀川理万子さんの挿絵がイメージを膨らませてくれるに違いありません。少なくとも私が住んでいる地域では、寒さが緩み、春が訪れる一歩手前で決まって大雪が降りしきる日があります。その日が過ぎれば、いよいよ春は近いと思えるのです。季節の変わり目の不思議な自然現象をモチーフにした物語でした。舞台は子供が往来する狭いエリアですが、宇宙の彼方の星座から地面まで全てが繋がりあっていると感じさせられます。2021/01/23
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
50
子供の友達のオススメ。雪ばんことうい妖怪が現れるから、すいせん月の四日は外に出てはいけない。雪童子(ゆきわらす)と人間の子供との関りが印象的。すいせん月の四日とは暦の月かと思ったら、作者が創作した月との事。北国の雪景色を知らないけれど、イメージが湧きやすい表現で、頭の中で想像出来ました。2019/10/29
とよぽん
49
雪ばんご(おばあさん)のおどろおどろしさ。雪おいの(オオカミ)を自在に動かす雪童子の不思議な魅力に引き込まれる。堀川理万子さんの絵は、物語の世界を読み手の理解や感覚に寄り添って示してくれているような感じがした。赤い毛布にくるまって家路を急ぐひとりの子どもを雪ばんごの魔力から助ける雪童子は、宮沢賢治が描いた理想の英雄?2022/01/02
chiaki
43
賢治の生まれ育った花巻・盛岡の冬の、凍てつくような厳しさが、とても美しくとても幻想的に描かれていています。カリメラのことを考えながら家路を急ぐ女の子を雪ばんこと雪童子が吹雪でもって襲います。水仙月の四日に大雪を降らせる妖怪雪ばんこ…こわいです!どうなるのかと最後までドキドキ。雪童子の無邪気さと温かさがとてもいい。赤い毛布(ケット)に包まって、真っ白な雪に赤い毛布がとても印象に残る。水仙月の四日に、命を落とした子どもたちが、妖精のような雪童子になるのかな。冬の厳しさ残る2月頃、また読みたいな。2021/03/30
♪みどりpiyopiyo♪
42
…「あの子どもは、ぼくのやったやどりぎをもっていた。」雪童子はつぶやいて、ちょっとなくようにしました… ■雪国に住む祖父母を訪ねて春の東北を旅したことがあります。雪国の遅い春は一時期にわっとやって来ます。福寿草に ふきのとう、水仙 すみれ 雪柳、梅桃桜、そして雪解け…。賢治の「水仙月」とはいつ頃の事でしょう? ■このお話は挿絵違いで幾つか読んでます。この本は低学年向けに編まれた賢治の童話シリーズの1冊で、絵は堀川理万子さん。雪童子たちが犬の散歩でもしている様で親しみを覚えました♪ (絵 2005年)(→続2019/04/04
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