内容説明
「かた雪かんこ、しみ雪しんこ」と歌いながら、四郎とかん子が凍った雪の上を歩いて遊んでいると、狐の紺三郎も歌に入ってきて友だちになり、二人は狐の幻燈会に招待される。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mike
80
小説「あたしの拳が吼えるんだ」の中に宮沢賢治の「雪わたり」が出てくる。真っ白い雪が一面に広がる野原で四郎とかん子の兄妹がきつねの子に出会い、きつねの幻灯会に招待されるほっこりした話。 かた雪しんこ、 しみ雪しんこ、 キックキックトントン、 キックキックトントン と歌う可愛らしい声がどこかから聞こえて来るようだ。2023/02/07
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
69
雪が降り積もったある日、四郎とかん子の二人が狐をからかう歌を歌っていると、紺三郎という白い狐の子がやってきて・・。NHK教育テレビの「にほんごであそぼ」のコーナーで紹介されていて気になっていた話。今回ようやく読むことができました。楽しそうに歌う彼らの声が聞こえてきそうです。読みながらつい「キック、キック、トントン。キック、キック、トントン。キック、キック、キック、キック、トントントン」と口ずさんでしまいました(笑)★★★2013/02/09
chiaki
42
「かた雪かんこ、しみ雪しんこ。」「しみ雪しんしん、かた雪かんかん」等々、子どもたちと小ぎつね紺三郎の掛け合いがリズミカルで思わず口ずさみたくなる。"きつねは人を騙す"という無実の罪を晴らすべく、四郎とかん子を幻燈会に招待する紺三郎。日時は次の雪の凍った月夜の晩。まるで夢を見ているかのような幻想的なひとときを過ごした2人。嬉しくて涙がこぼれたのは、きっときつねと心通わせ、真実に触れたから。とよたかずひこさんのふんわりと優しい絵にも心暖まる。キックキックトントン、キックキックトントン♪音読したい1冊です。2020/12/04
スノーマン
32
こんなに明るく楽しいお話とは思わなかった。心踊る物語。寒いこの時期だからこそ、読んで心の芯からあったまる。文章もさることながら、とよたかずひこさんの描く、きつねやこどもたちの可愛らしいこと!きつねの意地悪なイメージがガラリと変わった。四郎とかん子が素直にきびだんごを食べてくれて、喜んでくれて良かったね。『ほっぺたもおちそうです。』という言葉を久しぶりに聞いたな。2013/12/23
なると
27
キックキックトントン、キックキックトントン。娘が大喜びで口ずさむ「日本語であそぼ」でやってたって。あらそうだったのね。狐さん達すごいかわいかった。「紺三郎さんがぼくらをだますなんておもわないよ」そう、人を信じなきゃ「たとえからだをさかれても、きつねの生徒はうそいうな」「たとえこごえてたおれても、きつねの生徒はぬすまない。」「たとえからだがちぎれても、きつねの生徒はそねまない」どんなことがあってもそれはダメ。「わなをけいべつすべからず」「しっぽに火がついた。火をけいべつすべからず」己を省みる事は大切だね。2015/07/03