内容説明
織田信長を斃した明智光秀と、中国大返しを果たした羽柴秀吉。天下を賭けた二人の決戦の真相に、シリーズ史上最大の深掘りで迫る!
1582年(天正10年)6月2日、本能寺の変で織田信長が横死すると、収まりかけていた天下の趨勢が大きく動き始める。備中高松城で毛利方の城主・清水宗治を攻めていた羽柴秀吉は、軍師・黒田官兵衛の助言に従い毛利家と和睦。電光石火の早業で畿内に取って返した。世に言う「中国大返し」。他方、信長を斃した明智光秀は、頼みとしていた縁戚の細川藤孝・忠興父子や寄騎だった中川清秀、高山右近、筒井順慶らを味方に引き入れられず、劣勢のまま秀吉軍を迎え撃つことになった。信長三男・三七信孝と丹羽秀長を加えて4万に膨れ上がった秀吉軍に対し、武田元明、京極高次などわずかな加勢にとどまった明智軍は1万余。そして天下人を決めるであろう運命の6月13日、京への入り口にあたり隘路でもある山城国・山崎を決戦の地に選んだ光秀は、天王山を占拠していた秀吉軍とついに激突を……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
如水
22
同作者『本能寺の変』の続き…と言っても本巻だけでも『山崎の戦い』とは何だったのか?は分かります👍前作からの話で何が続きなの?ズバリ!『人物像』。特に光秀は…あれですわ、俗に言う『バーンアウト症候群』に近い感じです(まぁ前作の動機が…ね)。有名な秀吉の大返しから清州会議手前迄。僕がほっほぅ🤔思ったのは山崎の地形。確かにアソコに押し込めれば兵力の差なんて関係無い😆じゃぁ何故左馬之助(秀満ね)を安土城に置いたままだったんだ?…とか色々今となっては思う人もいるかもしれませんが、なんせ442年前ですからね…2024/03/08
fuku3
22
2023.5.13読了。矢野隆氏初読み。世に云う三日天下!実際、明智光秀は本能寺の変から14日で亡くなる!山崎の戦いは秀吉の大勝利で呆気なくかたが付く!やはり面白いのは光秀が軍事クーデターを起こし見事に成功させた本能寺の変の後である!いち早く察知した黒田官兵衛から報告を受けた秀吉は嘆き悲しみ人格崩壊寸前まで行き途方に暮れる!官兵衛から「御運が開けましたな」の一言で秀吉の目の前に"天下統一"が現実味を帯びた!そこからの秀吉は正に電光石火の早技で中国大返しをやってのけた!光秀の真の狙いは何だったのか不明⁉︎2023/05/13
まゆっち
8
本能寺の変の後、明智光秀と羽柴秀吉が雌雄を決した山崎の戦い。 左馬之助秀満や黒田官兵衛など、様々な人物の目から描かれていて非常に興味深かったです。 前作本能寺の変との繋がりも面白く読めました。2023/07/02
コチ吉
5
丁度放送中の「どうする家康」と内容が被る。本作では家康の出番はなく、この出来事においては主要な人物ではないということであろう。実際名も知らぬ百姓に討ち取られた訳であり、戦さではなく謀反人光秀をどうするかという武将達の思惑が読みどころか。光秀の心底はやはり伺いしれない。2023/09/13
コニタン
4
矢野隆の戦百景山崎の戦いを堪能しました。秀吉の気持ち、精神状態を細かに表現した読み応えのある作品でした。2023/04/05