POSSE vol.49 - 特集「ケアの市場化の果てに」

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POSSE vol.49 - 特集「ケアの市場化の果てに」

  • ISBN:9784909237613

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内容説明

日本で唯一の若者の労働問題専門誌!

2000年代以降、ケアや公共サービスの職場をここまで歪めてきたのは、その責任を国や自治体から営利企業に開放した「市場化」そのものにほかならない。同時に、自治体の内部さえも市場の論理に侵食されていった。この20年間でケアワーカーたちの労働の現場では、一体何が起きてきたのか。保育、介護、教育、児童相談所、保健所などさまざまな分野から検証していく。そこから、ケアをめぐる新しい労働運動を構想していきたい。

【著者】
POSSE編集部
『POSSE』は日本で唯一の若者による労働問題総合誌として、2008年9月に創刊しました。NPO法人POSSEのスタッフが中心となり制作。労働・貧困問題をテーマに、現状、政策から文化までを論じています。

今野晴貴
NPO法人POSSE代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。

目次

◆特集「ケアの市場化の果てに」

座談会 ケアの市場化の20年と、崩壊する介護・保育の現場―労働の視点から福祉現場を再生する展望を描く
小林美希×松田貴弘×後藤道夫×三浦かおり

市場化・ICT化によって劣化する教育現場のケア労働
佐藤学

ブルシットジョブに喰われるエッセンシャルワーク―公務労働のリアル
上林陽治

在日フィリピン人結婚移民の生活史に現れる「介護の仕事」
高畑幸

保育園の需要ピークで「突然閉園」の危機―労働運動はどう立ち向かうか
三浦かおり

資本主義社会におけるケアの破壊と「安全」を重視する主体への着目
三家本里実


◆ミニ企画「胎動するジェネレーション・レフト」

絶望の「コロナ世代」から、闘う「ジェネレーション・レフト」へ
斎藤幸平×渡辺寛人

真の気候正義運動を目指して―グローバル・サウスとの運動実践から考える
荻田航太郎

「中絶か帰国か」選択を迫られたスリランカ人技能実習生―産休・育休の権利行使を支える運動の先に私たちZ世代が目指すもの
田所真理子ジェイ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keepfine

1
小林美希らの座談会。保育では、2000年規制緩和で営利企業参入を許可。また人件費8割以上を占めている委託費はもともと人件費・事業費・管理費といった使途の制限があったが、他使途への流用を認める弾力運用制度ができた。2015年株主配当にまで委託費を使用可能になった。東京23区では年間で保育士1人に422万が人件費として出され、処遇改善手当を加えて565万の公費が出ているはずだが、実際保育士の受取りは380万円。国は委託費のうち人件費が81%と想定していたが実際には社福法人では70%、株式会社では51%にすぎず2023/02/05

ぽん

1
介護・保育から教育現場まで、ケア労働の今の声を伝えてくれる感じ。保育園の突然閉園の話も、たんに市場化の弊害だけでなく行政が介入・関与する仕組みが乏しいという問題もまた見える/いちばん語気つよく主張しているのは気候正義運動の論考。議論の余地はない、「おしゃべり」に付き合う余裕はない、と/高橋さん、遠藤さんの連載のように、実践の経過を伝えてくれるのもいいよね2022/01/16

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