内容説明
両親が湯治に行く一年間、長崎屋は若だんなに託されることになった。「頼られる跡取り」をめざし奮闘するが、商品を狙ういかさま師や疫病の流行、大坂の大店からの無理難題など困難は次々と降りかかる。おまけに主の留守を知った賊に目を付けられ……妖たちは、あの手この手で若だんなを助けようとするが、はたしてこの一年をぶじ乗り切れるのか!? 痛快でじんわり心に染みるシリーズ第19弾。(解説・ペリー荻野)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
81
若だんなに甘々な両親が一年間も湯治に出かけて留守にするという… 若だんなの教育のためとはいえ、一年間も若だんなを放っておくなんて、この両親にしてはすごい決心!! いや、拍手したほどの立派な子離れです。一年間お店を任された若旦那は、「頼れる跡取り」を目指して大奮闘。様々なハプニングを乗り越えていく様を楽しませてもらいました。そして、若だんなは"店主としての並"を見事に手に入れました。これにも拍手! それにしても、新たな奉公人の二人にビックリです。2025/10/06
bura
76
しゃばけシリーズ第19弾。両親が九州に一年間、湯治に行く事になった。まめに寝込み、死にかける虚弱な若だんな一太郎はその間、長崎屋を任される事になる。仁吉と佐助は妖の屏風覗きや貧乏神を奉公人に仕立て、店表に出る若だんなの手助けをさせる。今回は一年を通じて若だんなの跡取りとしての成長がテーマの5編。中でも「おにきたる」西から流行り病を連れて来た鬼や疫病神と闘う物語。今のコロナ禍を描く一作で興味深く読んだ。このシリーズ、お馴染みのキャラで意外な展開を見せるので面白い。とは言え少しづつ成長しているなあ、若だんな。2023/03/15
sin
71
二親が親戚の誘いから九州へ湯治に旅立つことになって、若旦那は店を一年の間任せられることになったのだが…若旦那が「店主としての“並み”を手に入れたい…」と云うのは欲が無くて奥ゆかしいが、お坊っちゃん然として歯応えがないような気もする。妖かしである祖母に依って拾った命ながら病弱で兄やと妖かしたちに支えられて生きる境遇がそうさせるのかもしれないが、窮地にも落ち着いて理知的に対処する姿はなかなかのものだ。物語的には何となく足踏み状態に感じられるがこの先若旦那の時間が大きく進み出しそうなそんな気もしないではない。2023/01/12
優希
57
若だんなたちが1年間も家を守ることになるとは。色々なトラブルを乗り越えるのにじんわりきます。2023/02/21
鍵ちゃん
52
シリーズ第19弾。両親が湯治に行く一年間、長崎屋は若だんなに託されることになった。「頼られる跡取り亅を目指し奮闘するが、商品を狙ういかさま師や疫病の流行、大坂の大店からの無理難題など困難は次々と降りかかる。おまけに主の留守を知った賊に目を付けられ。妖たちはあの手この手で若だんなを助けようとするが、はたしてこの一年をぶじ乗り切れるのか。妖たちの力を借りたら若だんなだけでも乗り切れそうでしたな。やはり一致団結は大切ですね。若だんな、妖達、これからもガンバレ!2024/01/16




