新潮文庫<br> ひなこまち(新潮文庫)

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新潮文庫
ひなこまち(新潮文庫)

  • 著者名:畠中恵【著】
  • 価格 ¥737(本体¥670)
  • 新潮社(2020/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101461311

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内容説明

長崎屋へ舞い込んだ謎の木札。『お願いです、助けて下さい』と書かれているが、誰が書いたか分からない。以来、若だんなの元には不思議な困りごとが次々と持ち込まれる。船箪笥に翻弄される商人、斬り殺されかけた噺家、売り物を盗まれた古着屋に、惚れ薬を所望する恋わずらいのお侍。さらに江戸一番の美女選びまで!? 一太郎は、みんなを助けることができるのか? シリーズ第11弾。(解説・柳家喬太郎)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sin

123
前作を受けてお花見に惹き付けられる一向の姿のみならず、若旦那が自らの女房のことに思い至る場面に、そこはかとない切なさを感じます。人である若旦那と違って作中のあやかし達はほぼ不滅、勿論、その若旦那にしたところで物語が読み継がれる限りは不滅の存在なのです。ただ、彼らにとっては現在というこの瞬間の私達読書がまぼろしの様な存在なのです。2015/01/16

のっち♬

112
『お願いです、助けてください』という木札を発端に人助けに奮闘する連作短編5篇。『ろくでなしの船箪笥』は小まめに曲がる筋が特徴的。表題作は二大世話焼きキャラを駆使したファンサービス回。『さくらがり』は単品で読むには前振り要素が強い。対極的な夫婦関係を描いた、ホラー系の『ばくのふだ』と試練のテーマが顕在化した『河童の秘薬』が荒唐無稽さを面白味に昇華できていてハイライトだと思う。兄やの存在感が希薄なのと鳴家の濫用がくどいのが気になった。「どうぞ、みんなが幸せになりますように」—震災後の著者の想いが託された一冊。2023/11/21

ぶち

107
今回の畠中さんのアイデアは、"たすけて"と書かれた木札。この木札を見つけた若旦那のところに困り事を抱えた人や妖が助けてと次々と縋ってきます。それぞれの困り事がそれぞれの短編となっています。そんな困っている人たちをなんとか自分で解決しようとする若旦那。とても心優しい若旦那に読んでいる私もほんわかとなります。 最後の最後に短編で語られた伏線が回収されて、木札の真相も明らかになります。お見事な展開です。 そして、相変わらず家鳴りの「きゅんい~」っていう声がかわいいです。2022/05/15

ううち

95
屏風のぞきが活躍していました。相変わらず虚弱な若だんなですが、兄やたちの扱いにも慣れてきたようですし、男気溢れる台詞にキュンときました。誰のものかわからない木札のために頑張る姿はとても素敵でした。鳴家たちの可愛らしさには和みます。解説もテンポ良くて面白かったです。2015/02/27

KAZOO

91
今回は、若旦那が頼りにされる話で一枚の木札が一つのキーとなっての話で楽しませてくれます。今回は何赤いつものペースとは異なって少しばかり忙しい感じがしました。テンポが速まったのでしょう。いくつかの昔のはなしも出てきたりでいろいろなことがわかってきます。2014/12/11

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