内容説明
四季のうつろいや日々の情感をうつしとってきた日本の短詩型文学.古今の作品の魅力,読みどころを案内する好評シリーズの新刊.本巻では,苛烈な戦争などを題材にした沖縄の合同歌集『黄金森』から多くの作品が紹介されている.「朝日新聞」1999年5月から2000年4月掲載分を加筆のうえ収録した,通巻第15冊.
目次
春のうた
夏のうた
秋のうた
冬のうた
あとがき
作者略歴(兼キーワード)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
33
#斎藤茂吉 #短歌 最上川雪を浮かべるきびしさを来りて見たりきさらぎなれば 「白き山」 #返歌 木曽三川きびしさを来てみて知る洪水分流工事の苦労2016/09/19
テイネハイランド
10
新・折々のうたシリーズでは、太平洋戦争後の俳句・和歌の割合が増えていると思います。これだけ戦後に偏るのであれば、いっそ人口に膾炙した歌謡曲などからも選んでほしかったところですが、権利関係で難しいのかもしれません。本巻の秋の項では、「黄金森 平成七年終戦50年沖縄合同歌集」から多く取られていて、これらは朝日・岩波らしい政治色が強く私の好みからは外れると感じました。本巻では冬のうたに好きなものが多かったように感じます。「ふる雪の水の明るさ山葵沢 細見綾子」「初山に行き交ふふたつ斧谺 森澄雄」2019/01/26
アルクシ・ガイ
2
図書館本。二週間期限で借りて一回延長して、を、二回繰り返した。詩は借りて読むもんじゃないのです。いつまでも「読んでいる本」に入れておいても仕方ないので、いったん締め。2018/11/22
OjohmbonX
1
都都逸の実作をほとんど読んだことがありませんでしたが、かっこいいですね。「生みたて卵を家賃のたしに 鶏も日銭の共稼ぎ」、「嬶天下と威張っちゃいるが たかが家来は俺一人」。『どどいつ万葉集』という本からの引用とのことで買ってみようかな。色々ほかにも印象深い句・歌がありました。たとえば「猫も野の獣ぞ枯野ひた走る」とか「冬晴れの天よつかまるものが無い」、「縄跳びの子が夕焼けをまはしをり」。読んだだけでは意味がちょっとわからないものも大岡信の短い解説のおかげで、おおっ、と思う。2011/03/05