角川選書<br> ホッブズ リヴァイアサン シリーズ世界の思想

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角川選書
ホッブズ リヴァイアサン シリーズ世界の思想

  • 著者名:梅田百合香【著者】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 特価 ¥990(本体¥900)
  • KADOKAWA(2022/02発売)
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  • ISBN:9784047036512

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内容説明

国家の役割や主権が議論されるとき、必ずといっていいほど取り上げられる政治学の名著『リヴァイアサン』。しかし、日本では「万人の万人に対する闘争」の部分のみが広く有名になり、ステレオタイプ化されている。専門家によって近年飛躍的に解明されてきた作品後半の宗教論・教会論と政治哲学の関係をふまえて全体の要点を読み直し、従来の作品像を刷新。近代政治を学び平和と秩序を捉え直す、解説書の決定版!

「人間の欲望やその他の情念は、それ自体としては罪ではない」

――近代政治哲学の創始『リヴァイアサン』――
一五八八年、イングランド南西部に生まれたホッブズ。彼は政治権力と教会権力の争いによって内乱が起きるなかで、この問題の処方箋は他国にも通用する普遍的なものと考え『市民論』を執筆。さらに教会権力批判を強めて著したのが『リヴァイアサン』である。

【目次】
序論
第一部 人間について
第二部 国家について
第三部 キリスト教の国家について
第四部 闇の王国について
総括と結論
 年譜・文献案内・索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

51
大変勉強になるありがたい本。分かりやすい例を挙げると、ホッブズが『リヴァイアサン』につけた副題は「教会的かつ政治的国家の質料、形相および力」なのですが、私は”質料”や”形相”という言葉の意味すら知りませんでした。そうしたことがらを解説してくれているのはありがたい。「自然状態(万人の万人に対する闘争)」や「自然法(あなたが自分自身に対してしてもらいたくないことを、他人に対してするなに要約)」だけでなく、宗教的権威に対する痛烈な批判をも読み知ることができた。教養として一応読んでおこうとする人にちょうど良い。2023/01/15

壱萬弐仟縁

51
E図書館。全目次は28-29頁に一覧できる。聖書は第三部にかなり出てくる。そういえば、ロック『統治二論』も創世記のアダムが前半はかなり出ていたし。ホッブズは、自然状態を、国家が設立される以前の状態で、人間は、生まれつき身体と精神の能力について平等に創られている。そのため、すべての人間が、生きていくうえで必要なものごとや欲するものごとを得るという希望、目的達成の希望を平等に持つ。しかし、国家が存在しない自然状態においては、自由に自己目的を達成しようとするため、敵対する。万人の万人に対する戦争に(56頁)。2022/10/08

masabi

14
【概要】一般的なホッブズ理解から抜け落ちた国家と宗教の関わりに焦点を当てた「リヴァイアサン」の入門書。【感想】「リヴァイアサン」の抜粋と筆者の解説により同書全体の要点を押さえることを目的とする。既存の国家の正当性を擁護し、国家を頂点とする秩序に異議を唱える宗教に対して国家の優越を主張する。ここでは、キリスト教、特にローマ・カトリックが主に想定されており、その論拠を聖書解釈に依拠する。執筆の背景には1640-60の政治変革により内乱が起きたためだ。2023/01/15

左手爆弾

5
入門書なのだが、平易な言葉で解説していくのではなく、『リヴァイアサン』の抜粋の訳文を載せ、それに対して適宜解説が入るという形式。なので、入門書としては難しい一方で、研究書としては物足りない。本書の狙いは明白で、『リヴァイアサン』後半の宗教に関する記述をもっときちんと読みたいということ。だが、『リヴァイアサン』自体の構成が複雑であるため、それに振り回されると結局何が言いたいのかはもともとわかってる人以外にはよくわからないのではないか。抜粋と解説という形式がわかりにくさを作ってしまったと感じる。2022/02/17

4
古典を読むのも楽しい読書と気づかされた一冊。特に、本書では、「万人の万人に対する戦争」というホッブズの主張を学生などに教える際に、抜け落ちている部分があると「はじめに」で述べています。それは、第三部以下のキリスト教との関わりの部分。私はキリスト教を信仰している訳ではないけれど、確かにこの部分を読まないと、ホッブズの主張を深く理解することはできないように感じました。そういう意味で新たな知見を得られて、満足しています。2022/12/10

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