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内容説明
刊行から二百余年、今なお多くの人を惹きつけ、そして挫折させてきた『純粋理性批判』。その晦渋な文章に込められた意味を、一文一文抜粋し丁寧に解きほぐす、入門書の決定版。日本カント協会会長による渾身の一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
13
800頁に迫る殺人的な量を備えた解説書界の快挙。独語原典本文が大体そのくらいの分量だから、もはや原寸大1/1スケール地図というルイス・キャロルが風刺した観念に近づく。しかし無意味に原典を転写しただけの原寸大地図と異なるのは、その場に行かずしてその場の光景を確かに把握できる検索エンジン道路ビュー地図と同じように、『純理』を読まずしてその主張や構造が理解できてしまう高い解像度を見せてくれる説明力。読んだ人も本書で各部ごとの丁寧な説明を振り返らない訳にはいかない、今後の哲学業界や読書界隈に必読として君臨する書。2024/08/29
湿原
12
『純粋理性批判』の初学者にとって、極めて重要な書籍であろう。『純粋理性批判』は抽象的に記されている内容と、普段日常では使用しないだろう哲学用語の多さによって、初読者を大いに悩ませる。しかし本書はその困難さを少しでも和らげるために、原文を抜粋しながら、わかりやすい具体例を交えて、著者が丁寧に解説しているので、『純理』完読に役立つと思う。それでも超越論的分析論(悟性論)と超越論的弁証論(理性論)は解説書でも難しい箇所が多く、よほどの頭脳の持ち主ではない限り、初読だけでは決して把握できぬであろう。『純粋理性批判2024/09/10
Happy Like a Honeybee
9
理性に関して、ひとは哲学する事を学ぶに過ぎない(カント) 哲学を学ぶ事は理性の才能を鍛える事だろうか? 入門書ですら難解を極めるカント哲学。 生涯のうちに少しでも輪郭が掴めればと手に取る次第。 構成マップがあるだけで、広大な世界の立ち位置が分かり安心した航海となろう。 誕生から200年以上経過した現代において、話題になる事が原書の魅力と言える。2021/03/05
Bevel
7
卒論でカントは扱いたいという人にはマストという感じ。例えば、超越論的演繹の説明に関しては、冨田氏のカント入門講義の方がわかりやすくて、初心者はこちらをお勧めしたいけど、弁証論や方法論を丁寧に扱う日本語のコメンタリーとしては、高峯氏以来ではないかなあと。原文に張り付くように解説し、細かいところもおろそかにしない。とにかく破壊力がある。2022/03/22
代拿邁人☆
1
『純理』を読む上で助けになる大変ありがたい本…2024/03/10